崖っぷちの東芝が、巨額損失を生んだ原発事業を注力事業から外すという判断は、一見すると正しいかのように見える。しかし、本当にそうだろうか Photo by Takahisa Suzuki

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東芝の元凶は経営であって
技術そのものではない

 東芝が崖っぷちに立たされている。家電売却、半導体分社化といった流れは、かつて世界一の航空会社と言われたパンアメリカン航空(以下、パンナム)の末路にも似ている。

 東芝が買収した子会社の収益悪化によって経営不振に陥ったように、パンナムも1980年に買収した国内線航空会社・ナショナル航空の業績不振が直接の引き金となって経営が悪化。収益性の高い路線から切り売りした結果、パンナム本体の破産にまで追い込まれた。

 もうひとつ両社が似ているのは、パンナムは当時アメリカを代表する大手航空会社、東芝は現在日本を代表する大手電機メーカーであり、どちらも「まさか倒産するはずはない。いざとなれば国が助けてくれる」と思われていたことだ。

 福島原発事故以降の情勢の変化を考えれば、昨年春に発表された経営再建策に従前と変わらない新規原発着工積極策が盛り込まれていたこと自体、見通しが甘かったと言えよう。

 経営が悪いのと技術が悪いのとでは話が異なる。東芝の経営状況がここまで悪化したのはひとえに経営が悪かっただけのことで、東芝自身が持っている技術や製品の筋は悪くない。いや、むしろ技術力の高いメーカーである。

 筆者は鴻海精密工業によるシャープの買収には肯定的な意見を述べたが、それはシャープがシャープという固まりのまま鴻海の傘下に入り、オーナーが変わっても「大阪のおもろい家電メーカー」シャープが消滅してしまうわけではなかったからであり、東芝がこのまま解体されるように切り売りされていくのは見ていて忍びない。

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