「―直虎」で小野政次役を演じる高橋一生を直撃!/(C)NHK

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放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK総合ほか)が、2月5日(日)夜8時ほかから第5回を放送する。

【写真を見る】2月5日(日)放送では亀之丞(三浦春馬)が井伊谷に帰参する/(C)NHK

前回までは子役を中心に描かれてきたが、ここからは、それぞれが成長した姿で登場。柴咲コウ演じる次郎法師が暮らす井伊谷に、亡命していた亀之丞(三浦春馬)が帰ってくることになり、鶴丸改め小野政次(高橋一生)を含めた3人の関係が再び物語の中心となる。

そんな高橋に、長く描かれた幼少期や、成長したあとの政次の心情について話を聞いた。

――ついに第5回から、成長した小野政次が作中に登場しますが、子役を中心に進んできた第4回までを振り返って、その意義はどのように感じますか?

見てくださった人たちは分かってくださると思うのですが、この期間が必要だったなと思うんです。僕たち自身のビジュアルがどうかということではありませんが、あの幼少期のビジュアルでないと出ない説得力というものがあると思います。それが、これからの話の展開にとっても響いてくるはずなんです。細かいことは言えませんが、とても切ない話ですし、「あの3人が、こんなふうになっちゃったの?」って思ってほしいです。

幼少期の話は4話までですが、僕としては「10回くらいやってしまえばいいのに…」と思うくらい、大事なパートだと感じています。

――史料も少ないと思いますが、政次を演じる上での苦労はありますか?

本当に残っているものが少ない中で、なるべく史実を反映させてはいるのですが、僕としては、あまり「歴史はこうだから…」と雁字(がんじ)がらめにするのは、見ている方にとっても窮屈じゃないかと思うんです。

やっぱり物語ですから大事なのはストーリーで、寓話(ぐうわ)性があったり、話を膨らませたりということがあっても、脚本や芝居する人、監督の世界観の作り方によって、説得力が生まれるということはあると思います。政次に関しても、脚本が一番重要だと思っているので、その中にある歴史は取り入れますが、“本当はこんなことがあった”という勉強はなるべくしないようにしています。

――成長した政次を演じる上で、特に大事にしていることは何ですか?

おとわに対する思いです。(政次の心情が)表向きどういうふうに見えていて、実際はどうなのか、というのは常に意識しています。あえて、見ている方にミスリードさせる部分もありますし、逆に変なミスリードを誘発したくないとも思うので、そのハンドリングはしっかりしたいです。

――おとわは、政次にとってどんなふうに見えているのでしょうか?

幼い頃のおとわは、その時期に特有の、自分が女の子という意識がない、どこか男の子にも女の子にもなっていない状態。そういう時期の、えもしれぬ魅力というものが、きっとあると思うんです。

あるときは男の子のように見えたり、急に女の子らしく見えたりして。でも、これから領主として育てられる亀之丞(藤本哉汰)や、家臣として生きる鶴丸(小林颯)は、すでに自分が男の子であることを意識しているんです。

――その頃の印象がずっと残っているということですか?

政次は、その頃のイメージをずっと引きずると思います。おとわが直虎を名乗るあたりでも、 ときに性別を超えた竜宮小僧なのかと思ったり、ときに女性を感じてしまったりしているように思います。

――政次からは、2月5日(日)放送で井伊に帰参する亀之丞はどう見えているでしょうか?

子供の頃は体が弱かったのが、戻ってきたら健康的で爽やかな男の子になっていますね。政次の弟である玄蕃(井上芳雄)は、その様子を「頭領になるべく生まれてきたような方」と評価するのですが、政次は「相当苦労もしてきただろうし、人がいいだけとは思わない方がいい」と言います。

これから政治に関わっていく亀之丞が、腹黒さや邪悪な部分も含めて強くなろうとしていることが、すでに政治に携わっている政次には分かってしまうんだと思います。

――そこに寂しさを感じている、ということでしょうか?

寂しさはずっとあるでしょう。大きくなって名前を付けられて、「小野と井伊は違うな」ということが、あらためて分かったと思います。鶴、亀、おとわと呼び合っている頃の自分ではないという意味で、自ら「政次と呼んでくれ」と言うシーンもありますし、そういった連続の中で、寂しさは常にあると思います

――政次演じる上で、子供時代の要素をどのように取り入れていますか?

当時、“名前が変わる”ということは、人生にとって大きなポイントだったと思います。鶴丸から政次という名前に変わる段階で、これからは政治にも参加して時代を担っていく、という気概を持つと思うんです。亀之丞も帰ってきてすぐに直親を名乗りますし、おとわなんて、すでに出家して尼さんになっています。

でも、子役の方が演じてくださっている時期を見ているので、「こういうときに怒るんだな」というのが分かっていて、大人になってからのシーンでも、「表には出していないが、子供の頃なら怒っていた場面だろうな」と想像することができるんです。そうやって、「子供の頃ならどうしただろう」と思いながら演じています。

(自分が演じている)表情を見て、想像力を働かせると、子供時代からつながっている部分を感じ取れるようにはしておきたいと思っています。