「セックスで言葉責めの上手な男性ほど、絶倫タイプが多いんです。なぜなら、言葉を発すること自体がED解消の秘訣でもあるからです」
 こう語るのは、性感研究の第一人者で医学博士の志賀貢氏だ。

 言葉責め――ご存じのとおり、ベッドで女性を辱めるプレイの一つだ。「もうこんなに濡れているね」「俺のペニスもビンビンだよ」といった実況中継型もあれば、「愛してる」「たまらなく君がほしい」といった褒め殺しも言葉責めの一つ。
 「言葉責めの内容は、双方が楽しめるものなら何でも構わないのです。肝心なのは、常に口を動かしていることと、様々な言葉を瞬時に考えることなんです」

 まず、なぜ「口を動かす」ことが大事なのか。
 「唾液もよく出て、脳内部の血流がよくなるとともに、全身の血流もよくなるんです。勃起不全になる要因の一つが血流の悪さ。性的興奮時にしっかりとペニスの海綿体にまで血が流入しないため、硬くなりにくいのです」

 運動をすべき、というのも同じ理論。体を動かすことで、血流がよくなり、勃起力が高まる。
 それが「口を動かす」=「言葉を発する」ことでも可能なのだ。
 「しかもベッドでおしゃべりな男性はモテるんですよ。日本の女性にとってセックスはとにかく恥ずかしい行為。そのとき、無言で黙々と責められては余計に恥ずかしさが増してしまう。喘ぎ声も出しづらいのです」

 おしゃべりな男は嫌われる、と思いがちだが、ベッドではまったく逆。
 「ただ、セックス中にどうでもいい会話や照れ隠しにペラペラしゃべるのはいけません。あくまでムードが大事なので、そう考えるとやはりベッドでの口運動は言葉責めに尽きるのです」

 さらに言葉責めには、もう一つの効果がある。
 「女性を喜ばせるためには、その状況に応じた様々な言葉を考えなければいけません。つまり、脳の動きを活性化するんですね。これもED解消においては重要です」

 ちなみに、EDの要因に外せないのがマンネリセックスだ。
 「地味な作業を黙々と続けているとき、人間の脳の働きは鈍り、集中力もなくなります。すると、ドーパミンやアドレナリンといった脳内物質の分泌も減り、性的な興奮も得にくくなるんです」

 脳の働きが鈍い状態でセックスを続ければ、当然、嫌気がさしてくる。しかし、逆に脳をよく動かしていれば自然と集中力も高まる。
 「勃起には集中力も必要なんです。女性の裸を見て、柔らかい肌の感触を味わい、一つになる――これらはすべて“脳で感じる”作業のため、集中力がなければ、楽しめないんです」

 このように、言葉責めがもたらすED解消の効果はかなり期待ができるということだ。
 「普段からシャイで無口な男性は、言葉責めが難しければ、とにかくキスやクンニを多めにして、まずは口を動かす努力をすることです(笑)。それだけで全身の血行がよくなり、下半身もいつもより元気になりますからね」

 口は禍の元ではなく、勃起の元でもあったのだ。

志賀貢
医学博士。内科医として診療する傍ら、260作以上の小説やエッセイを執筆。また、性感研究の第一人者で『かなりHな夜の教科書』(河出書房新社)など、医学的見地に基づいたセックス&口説き術にまつわる著書も多数ある。