米ツアー2016−2017シーズンにおいて、ここまで4戦1勝、2位が2回と絶好のスタートを切った松山英樹(24歳)が、カリフォルニア州のトーリーパインズGCで行なわれたファーマーズ・インシュランス・オープン(1月26日〜29日)に出場。アメリカ本土を舞台とする大会には今季初めての参戦とあって、地元ファンからの注目度も例年以上に高かったが、4日間通算4アンダー、33位タイという結果に終わった。

 年明けにハワイで開催された2大会に出場したあと、1週間のオフを挟んだ松山。その間、「練習したかったんですけど、天候が悪かったので、あまりできなかった」という。ハワイでの2戦目、ソニー・オープンの最終日には、アプローチを含めて、ショットがやや乱れるなど不安な要素を残していたが、その点を改善するまでには至らなかったようだ。

「(改修されたトーリーパインズGCのノースコースは)コースがだいぶ変わったので、これまでとまったく印象が違う。グリーンは、形状も違いますし、芝も変わって硬くなっている。難しいかな、と思います。また、これだけ雨が降ってフェアウェーがすごく柔らかいのに、グリーンがこんなに硬いと、かなり違和感がありますね。(その難コースでの戦いを前にして)ショットも、アプローチにも不安がある。ショートゲームも、だいぶいい形にきていると思うけど、まだ不安。どれか、ひとつでもよくなればいいのですが......。今の状態では『優勝を狙います』というのはなかなか難しい」

 難しいサウスコースでの初日は、1アンダー、47位タイだった。前半はティーショットが好調でスコアを伸ばしたが、終盤になって不安視していたショットの安定感を欠いて失速。残り4ホールで3つスコアを落としてしまった。

「午前中はパターが入らなかったけど、いいプレーができていた。それが後半に入って、ショットが乱れ始めた。そこで、なかなか踏ん張れなかった。ショットに関しては、自分なりにいい感じで振っていても、曲がったりしている。何が原因か、ちょっとわからないです。風はそんなに気にならなかったけど、その風に対して、自分のショットがうまく打てなかった」

 ノースコースを回った2日目は、前半からショットの距離感が合わずに苦しんだ。インスタートの12番、13番と連続ボギー。一気に1オーバーまでスコアを落として予選落ちの危機に面した。しかし後半、5番パー5でおよそ12mのパットを決めてイーグルを奪うと、7番、9番でもバーディーを重ねて盛り返した。その結果、首位と5打差の3アンダーまでスコアを伸ばし、順位も21位タイへと浮上した。

「ふたつボギーを叩いてから、その後も流れが悪かった。でも、その中でボギーを打たずに粘ることができた。それが、そのあとの4つスコアを伸ばす展開につながった。そこは、すごく評価したいと思います。(この大会での予選突破は)まあ、うれしいですね。そこを目指しているわけではないけど、今の状態からすると、よく(予選を)通ったなと思うし。5番のイーグルは、何mぐらいですかね、ラインはよくわからないです。(2段グリーンの下からで)ジャストタッチで打った。段を上がった時点では(カップに)届かないかなと思ったけど、最後はギャラリーの声援のおかげで入ってくれましたね」

 サウスコースで行なわれた決勝ラウンド。3日目は、4バーディー、3ボギーの「71」。スコアはひとつ伸ばしたが、順位は24位タイに後退した。前半はアイアンショットが冴えず、後半はティーショットが不安定で左に曲げるシーンが目立った。

「昨日同様、ショットはよくなかった。まあ、その中でよくしのげました。(ショットは)うまく打っているところもあるんですけど、うまく打てない部分が多くて。その分、ピンチが多くなって、どうしても(スコアを)拾えないところが何箇所もあった。その中で、よくバーディーが4つも取れたと思う。それはよかったな、と」

 最終日もショットの調子が戻ることはなかった。3バーディー、3ボギーの「72」。4日間の中では一番苦しいラウンドとなった。

「上のことはあまり意識しないで、少しでもスコアを伸ばせれば、と思っていましたが、自分がコースに出ないとわからない状態だった。練習場でうまくいっても仕方がない。今は試合で曲がるスイングをしているんだと思う。ミスはミスとしてはっきりしているんですが、そのミスが何で起きているのか、わかっていない。パットも......、スタート前に(昨日までと)ちょっと感触が違うな、と思っていたら、実際にコースに出ても思うように打てなかった。結果、8番、9番で(バーディーが)取れなかったのが痛かった。そのストレスがそのまま、あとにつながったのだと思う」

 松山にとっては、不本意な結果に終わった。だが、前回のソニー・オープン、今回のファーマーズ・インシュランス・オープンと、これまで相性のよくなかったコースでもきっちり予選を突破した。それも、ショットの調子が悪い中での結果だ。

 好スタートを切った松山は、やはり昨季とはレベルが違う。そのポテンシャルは、ひとつ上のステージまで上がったことは間違いない。それを、今大会でも証明した。

「ティーショットだけでなく、(最終日は)アイアンショットも左めに外れることが多かった。その原因を早くつかんで、次の試合までにしっかり修正できたら、と思う。それでも、フェアウェーをキープできたホールではいいショットが打てている。それを続けていけるように、何か練習方法を考えたい。(悪いなりに予選通過できたことについては)あまりこだわっていない。調子がよくても落ちるときがあるし。まあ、悪いなりにできたな、というところもたくさんある。ミスを少しでも減らしていければ、悪い状態ながらも優勝争いには近づけると思う」

 続く試合は、ディフェンディングチャンピオンとして臨むウェイストマネジメント・フェニックスオープン(2月2日〜5日/アリゾナ州)。再び優勝争いへの期待が膨らむ。

武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reikotext by Sportiva