写真提供:マイナビニュース

写真拡大

IBMは30日(現地時間)、小児がんの有望な治療薬をグリッドコンピューティングを用いて探索する「Smash Childhood Cancer〜小児がんと闘う子どもたちへのITでの支援」をスタートさせた。同社のworld community grid専用WebサイトからPCやAndroid版のmanagerプログラムBOINC Managerをダウンロード、インストールすることで参加できる。World Community Gridは個人や組織のコンピュータの空いている時間を使って先端の科学や医療のためのリサーチを行うものでIBMが出資、管理している。これまでに全世界650,000人、460団体が参加、その試みはWebサイト上に掲載してあるが、がん、ジカウイルスやHIV/エイズや気象、持続可能エネルギーなど現在進行中の7つを合わせて27プロジェクトで活用されており、今回で28個目のプロジェクトになる。

Smash Childhood Cancerは、小児がんの有望な治療薬を探索するプロジェクトで、小児がんのがん細胞を抑制する分子やタンパク質に作用する候補化合物を見つけ出すなど、数百万件の仮想実験を短期間で実施できるよう科学者や研究者たちにリソースを貸し出せる。Smash Childhood Cancerの責任者には、小児腫瘍医および分子生物学者で佐賀県医療センター好生館の理事長でもある中川原 章博士が務め、日本からは千葉大学と京都大学、中国からは香港大学、米国からはConnecticut Children's Medical Center、The Jackson Laboratory、University of Connecticut School of Medicineの研究者たちが参加する。

中川原博士は、2009年に千葉県がんセンターと千葉大学が連携してスタートした「ファイト!小児がんプロジェクト」でSmash Childhood Cancerを活用した医薬候補の同定に成功しており、今回は神経芽細胞腫だけでなく、脳腫瘍、腎芽細胞腫(腎臓の腫瘍)、胚細胞腫瘍(生殖器系や中枢神経系に影響)、肝芽腫(肝臓がん)、骨肉種(骨がん)など、他の種類についても調査を拡大。毎年世界で多くの子供たちが犠牲となってしまっている小児がん治療のための有望な治療薬研究に向かう。

(長岡弥太郎)