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 英国保守系シンクタンクは、対中国外交に関する情報を日本大使館から受け取って、英政府や主要メディアに押し流しているという。伝えられるところによると、この情報戦略のために日本大使館は同組織に毎月1万ポンド(約140万円)を支払っている。英紙タイムスが28日、報じた。

在英日本大使館(Paul Waite/flickr)

 それによると、英国新保守主義シンクタンク「ヘンリー・ジャクソン協会(HJS)」は、国際社会のなかの中国の政治的活動に反対意見を推し進める情報を、英政治家や主要メディアなどに伝えている。この情報提供にあたり、日本大使館から1万ポンドを受け取っているという。

 HJSは民主主義と人権保護を訴え、干渉主義的な外交政策を推進させる保守系シンクタンク。HJSの情報を受けているメディアはサンデー・タイムズ、デイリー・テレグラフ、ガーディアン、エコノミスト誌など英主流メディア。

 伝えられるところによると、HJSは広告企業「Media Intelligence Partners 」とともに、日本大使館へこの毎月1万ポンドの契約を持ちかけた。タイムス紙はこれを「シンクタンクと広告企業による初期的な交流戦略」と指摘する。

 前外相マルコム・リフキンド氏はタイムスの取材に対して、昨年8月、同国ヒンクリー・ポイントにおける中国資本の原子力発電所建設計画に懸念する文章を書くよう、HJSに提案されていたことを明かした。リフキンド氏は当時、HJSと日本大使館との情報交流については知らなかったという。

 タイムスが伝えるところによると、双方の情報交換の契約は昨年4月に始まり、今年4月にも更新される予定。

 この情報戦略には、HJSによる「利益関係を結べる高レベルの政治家との繋がり」と「中国の拡張主義により脅かされる西洋の戦略的利益」に関心を向ける狙いがあるとされる。

 いっぽう、日中間の緊張と、キャメロン政権時のジョージ・オズボーン前財務相による英中関係の急速な進展を懸念する日本側の思惑が反映される。オズボーン氏は、2015年9月の訪中で、英中関係を「黄金時代」と形容した。

(翻訳編集・佐渡 道世)