世界を代表する大都市として知られる東京。政治経済の中心地であるとともに、文化や娯楽、商業も充実していることから中国人観光客にも人気だ。しかし、そんな繁華都市の中心部でブランド農作物が作られていることを知る人は少ないかもしれない。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界を代表する大都市として知られる東京。政治経済の中心地であるとともに、文化や娯楽、商業も充実していることから中国人観光客にも人気だ。しかし、そんな繁華都市の中心部でブランド農作物が作られていることを知る人は少ないかもしれない。

 中国メディア・澎湃は29日、東京の新都心・新宿で地元の名産品である「内藤とうがらし」をブランド化させ、発展させる試みが行われていることを紹介する記事を掲載した。

 記事は、現在の新宿御苑を中心とする約60万平方メートルの土地は、江戸時代には高遠藩主・内藤家の敷地であり、その一部ではとうがらしが栽培されていたと紹介。自家で消費するだけではなく、地元に卸され、飲食店でも使用されており、その独特な食感で庶民たちからも親しまれていたとした。しかし、明治維新によって内藤家の敷地がなくなって以降は栽培規模が縮小し、現代ではより辛いものを求める嗜好の変化や、安価な外国産とうがらしに押され、「内藤とうがらし」は消えていったことを伝えた。

 そして、都市の発展が一段落すると東京でも都市の伝統と歴史を見直す動きが起こったと紹介。2010年「内藤とうがらし復活プロジェクト」が立ち上がって試験的な栽培が始まり、13年には市場での流通が復活するとともに、新宿区内の各コミュニティで栽培活動が行われるようになったとした。

 また、「内藤とうがらし復活プロジェクト」において「復活」させたいのは「それぞれ独行していたコミュニティを繋げること」であり、「内藤とうがらし」を通じて商品や飲食店との連係、大学など地元教育機関との共同研究といったアクションを起こしていることを紹介している。

 記事は、コミュニティの存在が「内藤とうがらし」が特産品ビジネスの模範になると説明。その成功は「農業とは対極にありそうな都市において、歴史の遺産をうまく利用して未来に向けて新たな局面を切り開く」というヒントを中国社会に与えるものであると伝えた。

 「内藤とうがらし」以外にも古くより東京で栽培されている「江戸野菜」が数多く存在する。練馬大根、谷中生姜などは有名であり、今や東京以外でさかんに栽培されている小松菜も「江戸野菜」の1つだ。京都を愛する中国人観光客は多く、地元の京野菜を用いた料理に興味を持つ人も少なくない。東京にもこのような地場野菜があると知れば、「味わってみたい」と思うのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)