ミロシュ・デゲネク【写真:Getty Images】

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 横浜F・マリノスは30日、ドイツ2部の1860ミュンヘンからオーストラリア代表DFミロシュ・デゲネクの加入を発表した。

 セルビア人の両親のもとクロアチアに生まれたデゲネクは、1995年にユーゴスラビア紛争の戦火から逃れるためベオグラードへ移住。その後1999年にコソボ紛争にともなうNATOの空爆から逃れ、難民としてオーストラリアへ渡ったという複雑な出自を持つ選手である。

 サッカー選手としてはオーストラリア国立スポーツ研究所(AIS)のエリート育成プログラムで技を磨いた。マーク・ヴィドゥカやブレット・エマートンらをはじめ数々の名選手を輩出してきたアカデミーで、現在のオーストラリア代表選手の中にも多くのAIS出身者がいる。

 2012年には名門シュトゥットガルトのU-19チームへ移籍し、翌年セカンドチームへ昇格。トップチームでは出場機会を得られなかったが、昨季1860ミュンヘンに加入してからはコンスタントに試合で起用され、昨年オーストラリア代表にも選出された。

 デゲネクの本職はセンターバックだが、右サイドバックやボランチといった守備的なポジションを幅広くこなし、利き足でない左足のキックも苦にしない。ポリバレントな能力を持ったDFと言えるだろう。

 身長187cmと大柄ながら、サイドバックにも対応できるスピードを有し、ボランチとしてパスをさばけるだけの技術も備えている。また1対1の場面では思い切りの良さが光り、鋭い読みを駆使して力強く前に出てボールを奪い取るプレーを得意としている。

 オーストラリア代表でも1860ミュンヘンでも完全な主力というわけではなかったが、前者では右サイドバックとして、後者ではボランチとして出場した経験を持っており、横浜FMでも様々なポジションでの起用が想定される。

 22歳という若さで将来性があり、異文化に積極的に馴染もうとする姿勢も見られる。来日から数日しか経っていないが、すでに頻繁にSNSを更新しており、横浜での生活を満喫している様子がうかがえる。日々の様子が垣間見られるデゲネクのインスタグラムは必見だ。

 若返りを進める横浜FMにとって、デゲネクは貴重な戦力になるだろう。基本的には中澤佑二のパートナーとしてセンターバックでの起用が予想され、有事にはサイドバックやボランチにも対応できる強みが生きてくるはず。同い年で同じ日に加入したダビド・バブンスキーとともに、新世代をけん引する主軸として活躍が期待される。

text by 編集部