突如イランなど7ヶ国からの入国禁止を大統領令で発行し、就任1週間でアメリカを大きな混乱に陥れたドナルド・トランプ大統領ですが、新たに就労ビザの改革にも手を付けようとしていることが分かりました。これによって大きな打撃を受けるのがシリコンバレーです。

移民の就労ビザも見直し

「移民がいなければ現在のAppleは存在しない」とティム・クック最高経営責任者(CEO)が述べるまでもなく、世界中から優秀な人材が集結するシリコンバレーは、民族の多様性なくしては成り立ちません。それは、Googleの現CEOであるスンダル・ピチャイ氏が、インド出身であることに集約されていると言ってもいいでしょう。
 
しかし、Bloombergによると、ドナルド・トランプ政権は新たに、テクノロジー企業が活用している就労ビザプログラムを見直す大統領令を起草しているそうです。これがもし実現すれば、AmazonやApple、Google、Facebookといった名だたるテクノロジー企業は抜本的な人材の雇用改革を迫られることとなります。

アメリカは「移民の国」だったはずだが

もっとも、ドナルド・トランプ大統領の公約は「Make America Great Again(もう一度アメリカを偉大に)」であり「America First(アメリカ第一)」です。
 
事実、Bloombergが入手した大統領令の草案には「政府に忘れられていた米国の労働者とその職を優先する必要がある」と記載されており、移民政策はあくまでも国民の利益に適うものではなくてはならない、というトランプ大統領の考えが改めて示されています。
 
しかし、Appleの創業者スティーブ・ジョブス氏の父親はシリアからの移民ですし、バラク・オバマ前大統領の父親はケニアの留学生でした。そして何より、ドナルド・トランプの祖父もドイツからの移民です。「移民の国」だったからこそ、アメリカがどの国にも負けない成長力と魅力を有してきたという事実は忘れたくないところです。
 
 
Source:Bloomberg
Photo:Wikipedia
(kihachi)