中国の最高裁トップが「司法の独立」を否定した理由

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西側の三権分立等を
阻止する主張

 中国の「将来的な方向性を占う」という観点から、2017年に入り私が注目した案件がある。習近平総書記率いる中国共産党が、これからこの国を「どこに導いていくのか」、「どう導こうとしているのか」という問いに関わるテーマである。

 1月14日、北京で全国高級法院院長会議が開催された。全国に散らばる裁判所の長官が首都に集結した席で、日本の最高裁にあたる最高人民法院の周強院長が談話を発表した。以下のような点を主張し、各地から集まった部下たちに指示を与えた。

「西側の“憲政民主”・“三権分立”・“司法独立”といった誤った思想の影響を断固として阻止しなければならない」

「中国共産党による領導、中国の特色ある社会主義の法治と司法制度を否定する誤った言動とは断固として闘争を繰り広げる。西側の誤った思想と司法の独立という“トラップ”にかかってはならない。断固として中国の特色ある社会主義法治の道を進むのだ」

 私から見て、少なくとも制度上は司法の頂点に立つ、司法の“神聖性”と“純潔性”を死守しなければならない人間が、このような赤裸々な発言をするのは極めて異例である。

 中国の政治体制が西側のそれとは相容れないこと、中国において司法は実質的に政治に服従する運命にあること、中国共産党は西側の三権分立を党の権威を脅かす存在として警戒していること、などは自明である。これまでもそうであったし、これからもそうであろう。今更それを確認したり、議論したりする余地も意義も小さいように思われる。

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