iPhoneを超える魅力あるスマホはどれ? もはや性能でなく「何ができる」スマホが問われる時代

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現在、スマホの代名詞ともいえるのがiPhoneだ。
しかし、最近の各メーカーのハイエンドモデルは、iPhoneに負けない機能を搭載したモデルが増えてきている。

人気のカメラ機能だけを見ても、iPhoneを超える高画質なカメラを搭載したモデルは、すでに多く登場している。
使う人によっては、次の買い替え時はiPhone以外を選ぶほうが、メリットがあるという時代になりつつある。

そもそも今、人気のiPhone 7 Plusのダブルカメラも、製品化は他社の方が早かった。
またiOSもAndroidスマートフォンも、年々アップデートするごとに、両者とも歩み寄り、似たような機能になりつつある。

日本国内では、まだまだiPhoneが優勢の状況ではあるものの、Androidスマートフォンの使いやすさも、そう差は無くなっていると言ってもよいだろう。

現在のスマートフォンは、iOSにしろ、Androidにしろ、実用レベルでは、ほぼ満足できるだけの完成されたレベルまで行きついたと見てもよい。

ではiPhoneを追いかける他社のスマホはどれくらい優れているのだろうか。

たとえばファーウェイだ。
2016年6月に発売した「Huawei P9」で、カメラ機能を大きくアピールした。
ファーウェイのスマホは、それまでにも高性能なモデルが毎年発売されていたが、あえてファーウェイ製品を選ぶ理由は乏しく、一般の消費者も、ファーウェイを買うくらいならソニーのXperiaやサムスンのGalaxyを買う、そんな評価が多かった。

そこでファーウェイは、カメラの老舗メーカーのライカとコラボを組み、
「ライカ画質の写真が撮れるスマホ」
という、大きなアピールポイントを打ち出したP9を発売したのだ。

P9のスペックを見てみると、画面解像度が他社のハイエンドスマホより低いなど、やや物足りない部分もあったが、実際の使い勝手で困ることはほぼ無く、カメラと画質が良いスマホという強い印象を市場に定着させることに成功した。

また、実際にP9 を購入したユーザーからは、ライカのカメラの画質を目指したP9の写真のクオリティーの高さ、後から自在にピントを合わせなおせる機能など、デジカメでも難しい操作を簡単に行うことができるスマホとして高い評価も寄せられた。


ライカのカメラを搭載したファーウェイのP9

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現在のスマホは、もはや同じ価格帯の製品を買えば、性能もほとんど変わらない。
ましてやSNSやWEB検索、ストリーミングでビデオを見るとった用途では、iPhoneの半額程度のスマホでも十分に実用となる。

ファーウェイは、ハイエンドスマホを「高性能・高機能」な製品ではなく、
「ライカ品質のカメラ」という、付加価値を持たせることで、iPhoneとは異なる強さ・魅力をアピールする差別化に成功したのだ。


一方、ファーウェイと全く異なるアプローチで市場を攻めているのがモトローラだ。

モトローラの「Moto Z」「Moto Z Play」は、本体の背面にアタッチメント方式で高性能なモジュールを取り付けることのできる合体型スマホだ。
これまでにもいくつかの合体型スマホは製品化されてきたが、モトローラの「moto mods」と呼ばれる合体モジュールは、これまでの製品とは大きく異なる優れた点を持っている。

まずmoto modsはマグネットでスマホ本体と合体する。
脱着が、実に簡単にできるのだ。

背面に、好みの「moto mods」を近づけるだけで、ぴたりと合体でき、すぐに使用できる。
スライドさせたり、爪を合わせたり、ネジなどで固定させたりといった面倒な操作はまったく必要ない。
誰でもワンタッチでモジュールを取り付けて、使うことができるのだ。


多数の合体モジュールを用意したモトローラ



また「moto mods」のモジュール種類が多いことも見逃せない。
・着せ替え感覚で背面に取り付けることのできるカバー
・スマホの利用時間を延長できる外付けバッテリー
・JBLの高品質なスピーカー
・天井や壁に画面表示を拡大投影できるプロジェクター
・そして老舗カメラメーカーハッセルブラッドと提携したカメラモジュール
など、どれもがスマホの機能を大きく超えた性能、機能を持つ製品ばかりなのだ。

もちろん、最新のスマホであるMoto Z/Moto Z Play単体でもスマートフォンとしては十分すぎるほど使えるが、これらのモジュールを追加することで、スマホの限界を超えた使い方ができてしまうのである。

モトローラでは、「Moto Mods」モジュールは、少なくとも向う2年間は新しいスマホでも対応予定だという。
つまりモジュールを買っておいても、次にスマホを買い替えたとき、同じモトローラの製品であれば使いまわすことができるのだ。

これまでの合体式スマホは、合体モジュールは同時発売の対応1機種専用だった。
スマホ買い替えた場合、モジュールなどは、すべて無駄になってしまっていた。

モトローラのMotoZ/Moto Z Playは、先のことまで考えて生み出された合体式スマホなのだ。

実は、このようなファーウェイやモトローラなどのような他社にはない機能を強化するスマホは、今、この2社以外のメーカーからも生まれてきている。

・ZTEのAXON 7は、ハイレゾ音楽の再生に対応
・アルカテルのIDOL 4はVRゴーグルをパッケージとして搭載し、スマホを購入後、すぐにVRコンテンツが楽しめる

現在以降のスマホは、CPUがどうした、メモリがどうした、といった性能比較ではなく、
・何ができるのか
・何が楽しめるのか
といった、
誰でもがわかる、誰でもが使いたくなる、そんな特徴で選ぶ時代を迎えているわけだ。



パッケージがVRゴーグルのアルカテルIDOL 4。買ってすぐにVRコンテンツを楽しめる


スマホの機能は年々上がっている。
今や、低価格モデルも1000万画素以上のカメラ搭載はあたりまえだし、指紋認証センサーを搭載したモデルも当たり前になってきた。

2-3万円のSIMフリースマホでも、基本機能は、ハイエンドモデルとそう変わらずに使うことができてしまう。

そうなると、iPhoneを始めとするハイエンドスマホは、
「機能が高い」ではなく、
「こんなに美しい写真が撮影できる」
「迫力ある音楽を再生できる」
といった、具体的な特徴、魅力、ユーザーメリットを提唱していくことが必要になっていくだろう。

今年はiPhoneの誕生から10年となる。
秋に発売されるiPhoneはかなり期待も高まっている。

そして新iPhoneに対抗する各社のスマホも、今まで以上に面白い製品が出てくるだろう。

2017年のスマホは、スペックではなく「何が出来るスマホ」なのかが、問われることになるのは、間違いないだろう。


山根康宏