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今回は、Microsoft HoloLensとVRデバイス、そしてWindows 10 Creators Updateの可能性について考察したい。HoloLensとWindows 10には、UWP (ユニバーサルWindowsプラットフォーム) という共通基盤があり、PCやスマートフォンとVRデバイスなどを含めた未来が存在するのだ。

2016年10月、MicrosoftはWindows 10 Creators Updateに関する発表会で、HPやDELLといったパートナーから300ドル程度のVRヘッドセットが発売されることを明らかにした。関係者によればこれらはVRにとどまらず、MRデバイスとしても利用できる可能性が高い。ただし、Hololensのように独自のプロセッサやHPC (Microsoftホログラム処理ユニット) は実装していないため、PCに接続して楽しむスタイルとなるだろう。MicrosoftはHololensのコンシューマーシナリオとして、これらの安価なVR/MRヘッドセットを位置付けている。

その理由として浮かび上がるのが「Windows Holographic」の存在だ。既に最新のWindows 10 Insider Previewでは、「設定」に<ホログラフィック>が加わり、VR/MRデバイスのスピーカーやマイクに関する設定項目が確認できる。また、UWPアプリケーションである「Windows Holographic」も動作するようになった。

Windows Holographicは、VR/MRデバイスをPCに接続する際のシステム要件チェックやデバイスの管理、利用空間の設定など、重要な役割を担うUWPアプリケーションである。開発者向け機能としてデバイスのシミュレーション機能も備えるようだ。肝心のデバイスを用意できないため推測の域を超えないが、同アプリケーションがVR/MRデバイスのコアとなるの間違いない。

他方で、アプリケーション側からデバイスを制御するAPIに対して、Microsoftは「Windows Holographic Platform」という呼称を用いている。同社はアプリケーションの分類として「Enhanced Environment Apps (強化した環境アプリ)」「Blended Environment Apps (混合環境アプリ)」「Virtual Environment Apps (仮想環境アプリ)」の3つを定義している。

例えば、「環境アプリ」は既存のアプリケーションをHolographic APIに対応させたSkypeのような存在だ。「混合環境アプリ」はHololens固有の現実世界と仮想世界を混合させたゲームやデザインツールなどを指す。そして、「仮想環境アプリ」は臨場感を増すためのホログラフィックアプリと定義付けている。

このようにMicrosoftは、Windows 10 Creators UpdateにHololensそして安価なVR/MRデバイスの基盤を実装し、新たなユーザー体験の提供を目指しているのだ。

Windows 10 Creators Updateの方向性については、日本マイクロソフトのプリンシパル テクニカル エバンジェリストである高橋忍氏と、Windowsコマーシャルグループ シニアプロダクトマネージャーである上田欣典氏が次のように語っている。

「VRデバイスやHoloLensがあり、基盤となるWindows Holographicを通じて、3D操作が可能になる。その一つがHoloLensのアプリケーション」

「今後は高額な専用3Dツールを使わず、Paint 3Dなど簡単なツールで知識がなくても3Dオブジェクトを作成可能になり、VRデバイスで子どもが描いた魚を鑑賞するなど、さまざまシナリオが実現可能になる」

まさに3Dの民主化だ。安価なVRデバイスがWindows 10と連携していくタイミングは、Windows 10 Creators Updateと同時なのか、それ以降の大型アップデートになるのかは未定とのことだが、充実していくことは確実だ。

誰もが容易にクリエイターを目指せる基盤に変化するのがWindows 10 Creators Updateである。もちろん、我々一般の利用者がHoloLensを購入することは難しいため、安価なVR/MRデバイスが出そろうタイミングを待つしかない。高橋氏はタイミングについて言及を避けたが、米国ではWindows 10 Creators Updateのローンチに合わせてくるだろう。そこから一定期間を経て、日本にいる我々もWindows Holographicの世界を享受できるはずだ。

阿久津良和(Cactus)

(阿久津良和)