「優れたアィティブ・ファンドの存在があってこそ、健全な投資信託市場の成長がある」――モーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏は今年18回目を迎えた「モーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー」の意義について「アクティブ・ファンドの顕彰にある」と強調した。

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「優れたアクティブ・ファンドの存在があってこそ、健全な投資信託市場の成長がある」――モーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏は1月30日、「第18回 モーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー 2016」の表彰式で挨拶に立ち、今年18回目を迎えた「モーニングスター アワード ファンド オブ ザ イヤー」の意義について「アクティブ・ファンドの顕彰にある」と強調した。発言の要旨は、以下のとおり。
 
 2016年は「想定外」に振り回される市場だった。その中で英知を結集して、優れた運用成績を残したファンドを表彰する。想定外で大きく荒れた市場の中での選考だけに、受賞ファンドには価値があると思う。
 
 ファンド オブ ザ イヤーは、主としてアクティブ・ファンドの中で成績優秀なファンドを表彰している。アクティブ・ファンドには厳しい時代になっている。米国では、「アクティブから、パッシブへ」の大きな流れが加速し、2016年の1年間で、ETFを含むインデックス・ファンドへの資金流入額は約60兆円。一方で、アクティブ・ファンドからの資金流出額は約40兆円だった。すさまじい勢いで、資金シフトが起きている。
 
 日本でも様々な資産クラスでインデックス・ファンドを立ち上げ、信託報酬の年0.01%の引き下げを巡って各社が競うようにインデックス・ファンドのシリーズを提供している。また、フィデューシャリー・デューティー(顧客本位の営業)の徹底が強くいわれ、ETFの活用や低コスト・ファンドの活用などが重視されている時代になってきた。
 
 さらに、AI(人工知能)の活用が運用業界でも進み、ロボットが銘柄選定や売買タイミングを計るために活用され始めている。ロボ・アドバイザーによる運用受託資産は2020年には240兆円に拡大するという試算もあるほどだ。このような時代に、アクティブ・ファンドマネージャーやアナリストは活躍することができるのだろうか? インデックス・ファンドが市場を席巻し、AIやロボットが人の代わりに運用を担う時代になっていくのではないか?
 
 しかし、実際に、市場インデックスを上回り、素晴らしいパフォーマンスを残しているアクティブ・ファンドは存在している。
 
 インデックスか、アクティブか? という論争がある。インデックスが良いという立場からは、「アクティブ・ファンドはコストが高い」、「インデックスを上回るパフォーマンスをあげられるアクティブ・ファンドは少ない」、「手間暇かけてアクティブ・ファンドを選ぶことは面倒だ」などという批判の声がある。「だから、インデックス・ファンドで十分だ」という。
 
 ファンド オブ ザ イヤーで表彰しているファンドは、コスト控除後のパフォーマンスが、インデックスや同種同等のピアグループの平均を大きく上回っている。例えば、国内株式大型部門で最優秀賞を受賞した、「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」は、2016年の年間騰落率で、TOPIXがマイナス1.85%に対し、プラス7.37%のリターンを上げている。こうしたファンドは、インデックス・ファンドを上回る報酬を得るにふさわしいといえる。そのような優れたファンドを、投資家の皆さまに代わって、投資家の方々が選ぶ手間暇の代わりに、モーニングスターが選定し、表彰している。
 
 2017年は、トランプ米大統領によってマーケットが荒れるといわれている。これからは「不透明」、「不確か」、「ボラティリティ(価格変動率)が高いマーケットになるだろう」といわれる。そんな市場を前にして、インデックス・ファンドに資金が流入しているから、つまり皆が買っているから、人気があるからインデックス・ファンドを提供するだけで良いのだろうか? 日銀がETFを買い上げるから、ETFを個人にも提供するという姿勢で良いのだろうか?
 
 市場が大きく荒れるからこそ、より良い銘柄を選定し、適切なタイミングで買っていく力が試される。ボラティリティが大きいほど、アクティブ・ファンドの優位性が際立ち、本来の価値が発揮される。
 
 本日受賞する「ファンド オブ ザ イヤー 2016」は、2016年のパフォーマンスに基づいて表彰するものだが、今日これから、投資家の方々の注目を集めることになる。「ファンド オブ ザ イヤー」を獲得したファンドだから、これからも期待できるだろうと、誰もが思っている。投資家も販売会社もファンドに係わる利害関係者の全ての人たちの期待を背負っている。本日、受賞されたファンドについては、その期待に応えられるファンドとして選んでいる。是非、これらの期待に応え続けていただきたい。