今作で主人公、三屋清左衛門を演じた北大路欣也/(C)2017時代劇専門チャンネル/BSフジ/東映 藤沢周平(R)

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'16年2月、CS放送の時代劇専門チャンネルとBSフジなどが制作放送し、好評を博したオリジナル時代劇「三屋清左衛門残日録」から1年。続編となる「三屋清左衛門残日録 完結篇」がBSフジで2月11日(土)に放送される。東映京都撮影所で撮影中の主演、北大路欣也に作品の見どころなどの話を聞いた。

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主人公の三屋清左衛門は東北の小藩で前藩主の用人を務めた後、家督を息子に譲り、隠居暮らしをしていた。しかし、藩を二分する派閥争いに巻き込まれていく。残日録とは、清左衛門が老い行く日々の出来事をつづった日記の題名のこと。

北大路は「僕が10年前にこの台本をいただいたとしたら、清左衛門の気持ちを十分に感じ取れたかどうか自問自答します。台本を読ませていただいて教えられたり、勇気をもらったり…僕の年齢にご縁がある、とっても良い台本をいただいたなと思っています」と話す。

リタイア後の人生の過ごし方が大きなテーマになっている本作で、清左衛門の周りには派閥争いに揺れる人々が集まる。派閥争いについて、北大路は今の時代そのものだと言う。「清左衛門自身は穏やかだし、中道の世界を生きようとしている人物なんだけど、ある時、幼い時の友人が訪ねて来て、派閥争いに悩んでいたことを知るんです。そして清左衛門は『あいつは恵まれている、うまくやった』と彼から妬まれていたことに気付く。そのときには、友人はすでに自分自身の人生を崩してしまっているんですけど、こういうことはドラマだけの世界じゃなくて、僕たちの人生とオーバーラップする。物事の駆け引きをするのが人間社会で、そこを軌道修正していける人たちが次の時代を担っていくわけでね。でも、出来ない人もいるわけじゃない。そういう人生が非常に正直に描かれていると思う」。

作家、藤沢周平(1927〜97年)の没後20年を迎えた今年、未だ輝きを放つ作品の妙は主人公の所作に現れる。

「この主人公と出会えたということは僕にとっては素晴らしいこと。本当に強い人は変に強がったりしない。肩の力を抜いてスッとその場に佇んでいられる人、その場からいろんなものを吸収して応えられる人が真の強い人だと思います。そんな清左衛門の生き様には感銘を受けますね。清左衛門みたいな人が僕の理想です。だからこの撮影では毎日、理想の人に会えるんですよ(笑)」。

名優がここまで惚れ込んだ今作を見逃す手はない。