米国のトランプ大統領は27日、難民の受け入れや、中東やアフリカの7カ国の国民の米国入国を一時的に禁止する大統領令に署名した。これにより、米国到着後に空港で身柄を拘束される人や、米国行きの飛行機の搭乗を拒否される人が相次ぎ、各地の空港で大規模な抗議集会が開かれるなど、混乱が広がっている。

この大統領令を受けて難民受け入れプログラムが中断したことにより、脱北者の米国入国もできなくなったと、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じている。

トランプ政権は難民受け入れを120日間停止した上で、その間に難民申請や認定に関する手続きを再検討し、米国の安全を脅かさない範囲内で受け入れを再開するとしているが、その見通しは不透明だ。

トランプ政権に対しては、従来の法律との整合性を充分に検討しないまま大統領令を連発しているとの指摘がなされているが、今回の脱北者受け入れの禁止も、脱北者を難民として受け入れることを定めている北朝鮮人権法と相反する可能性がある。

難民資格を得て米国に在住する脱北者の数は、昨年末の時点で211人。彼らの間からは、排外主義的政策を進めるトランプ大統領に対して、不安の声が上がっている。

米国の外交専門誌フォーリン・ポリシーは、脱北後にロシアに滞在していた脱北者キムさんの声を伝えている。人権団体の助けを得て、米国行きの計画を進めていたキムさんは、トランプ氏が米国大統領に当選したというニュースを見て「望みが水の泡になるかもしれない」と思い、恐ろしくなり泣いていたという。

彼は、トランプ氏が大統領令に署名する前の今月11日に米国に入国できたが、今後の難民資格の審査はハードルが高まるかもしれない。