Appleがイランのデベロッパーやスタートアップが開発したアプリをApp Store上から削除している、とイランのニュースメディアであるTechRasaが報じています。報道によると、イランで最も大きなeコマースサービスのDigikala用アプリが2017年1月後半に削除されたそうで、Appleはこの件についてコメントを出していませんが、国際貿易法に基づいた処置ではないかと海外ニュースメディアのTechCrunchは報じています。

Why Is Apple Removing Iranian Apps From the App Store? - TechRasa

http://techrasa.com/2017/01/28/apple-removing-iranian-apps-app-store/



Apple has allegedly begun removing Iranian iOS apps from the App store | TechCrunch

https://techcrunch.com/2017/01/29/apple-has-allegedly-begun-removing-iranian-ios-apps-from-the-app-store/



Apple reportedly removing apps from Iranian developers & startups from the iOS App Store | 9to5Mac

https://9to5mac.com/2017/01/29/apple-removes-iranian-apps/

インターネットの利用が一部制限されており、Freedom Houseが毎年公開している世界のインターネットの自由度合いを調査した報告書「Freedom on the Net」でも「中国に続いて制限の多いインターネット環境である」と評価されたイラン。このイランではAppleが提供するアプリ配信サービスApp Storeの利用が制限されていたのですが、2016年9月からその規制が徐々に緩和されていきました。App Storeへのアクセスが制限されていた期間、イランのデベロッパーたちは他国の開発者を装うことでアプリをApp Store上に配信してきたそうです。

そんなイランで運用されているスマートフォンの数はなんと推定4000万台で、その中の600万台がiPhoneであるとされています。さらに、伝えられるところによると、イランでは毎月約10万台のiPhoneが密輸入されているとのことで、イランの人口が8200万人で、平均年齢は30歳未満であることを考えると、Appleはイランに大きな潜在市場を持っていることがわかります。



By ApfelNext

しかし、イラン最大のeコマースサービスであり何百万人というユーザーを抱えるDigikalaのアプリがApp Store上から削除されました。Digikalaアプリでは、Shaparakと呼ばれる決済システムを使用しているのですが、同システムは国際的なシステムから隔離されたものであるため、Appleの規約に違反することはないそうです。しかし、Digikalaアプリは他の方針に抵触するとしてApp Storeから削除されることとなりました。

その「他の方針」が何を指すのかは、Appleがイランのデベロッパー向けに送ったコメントから明らかになっています。Appleがデベロッパー向けに送ったコメントによると、「不運にも、ビジネス上の商取引を容易にするアプリ、またはイランを本拠地とする開発者のアプリは『イランに対する取引及び制裁規則(ITSR)』に準拠しないとして、App Store上で配信することができません。これらの理由から、我々はあなた方のアプリケーションの申請を今は受理できません。国債貿易法が改訂されてこれらの機能が許可された際には、もう一度アプリケーションの申請を行って下さい」とのことで、アメリカ財務省により発行されているITSRに抵触するとしてアプリがApp Storeから削除されたことがわかります。



By Tom Woodward

ITSRに抵触するのは「商取引を可能にするアプリ」なのか「イランを本拠地とするデベロッパーが開発するアプリ」なのかは記事作成時点では不明なままです。

なお、イランの銀行の多くは独自のiOSアプリを持っているそうですが、それらはApp Storeを通してではなくサイドローディングで提供されているとのことです。