日本は厄払いに豆をまいた。一方ロシアでは…何をする?世界の厄払いを調べてみた

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もうすぐ節分。年に一度の家庭内無礼講、子供が大好きな豆まきの季節がやってきます。お菓子がいっぱい貰えるハロウィンに較べれば煎り大豆と太巻きメインの節分はなかなかに地味ですが、共に起源は悪霊を追い出すといった厄除けの儀式が成り立ちになっている謂わば兄弟分。節分という季節の変わり目とは違う場合もありますが、世界には豆まきに相当する厄払い行事を行う国が少なからずあります。そのイベントのトリガーは「厄年」。日本では逆に厄年の厄払いといえば寺や神社でお祓いをしていただくのが一般的ですが、世界では豆まきに匹敵する、いや凌駕するものすごい行事が執り行われるようです。なんだかんだ言って、みんなお祭り事が大好きですよね。

■ 世界の厄年と厄払い方法はコレだ!

日本は厄払いに豆を蒔いた。

◎ 一方ロシアは落馬した

ここロシアでは、9歳から始まり79歳まで、10年起きに「9」が付く年が厄年になります。90歳ならどうなるの?と考えるのは無粋。七難八苦を乗り越えて90歳まで生きてきた人にこれ以上難儀な事を背負わせるほど神様は冷たくない(筈)ですからね。厄年になると馬に乗り、周囲の人々が謳い囃す中落馬しなければなりません。落ちること即ち厄を落とす事に繋がるという意味です。ヤングはともかく79歳の落馬はなかなかヒヤヒヤしますが、そこはウォッカパワーでしょうか。

◎ 一方タイはお詣りした

タイでは19歳、39歳など「9」の付く年が厄年に当たります。そして唯一の例外として「25歳」が最も大きい厄年(日本でいう所謂本厄)で「ベンヂャペース」といい、この年にはお寺に行って厄払いを行います。お寺で100B程度のお金を払って受付を済ますと、名前と生年月日時を記入する赤い紙と線香3本を渡されます。必要事項を記入したら本堂に移動し、片手に線香を持ち点火、もう片手に赤い紙を持ちそれを上から下に12回、大きく振り下ろします。この動作で厄を(文字通り)追い払う寸法というわけです。最後に線香を立てて厄払い完了。ドンと来い厄年です!

◎ 一方イギリスは木の実を拾った

男性は「4」の付く歳、女性は「7」の付く歳が厄年となっています。とすると、男40歳代は10年続く大厄年ですし、44歳に至ってはW厄年になると思うのですが…。厄払いの方法は意外とシンプルで、年齢の数だけ集めた木の実を三日三晩外気に晒した後に庭先で焼くというもの。多くの人に見られれば見られるほど厄払いの効果も高くなります。仮に64歳なら64個もの木の実を集め、しかもアパートやマンション暮らしなら焼く庭先ってどうすればいいのでしょう。簡単そうで都会暮らしには世知辛い、そんなイギリスの厄払いです。

◎ 一方スペインはオールした

情熱の国にも厄年はあります。男性は24歳と44歳、女性は14歳と34歳。いずれも一桁台は「4」。日本人が4=死として忌み嫌う様に、スペインの方も4には特別な意味を感じているようです。気になる厄払いの方法は、親戚や家族や友人など多くの人々に見守れながら馬肉を厄年の年齢の数だけ食べ、その後徹夜で謳い踊り明かすというこの熱い国らしい陽気かつハードなもの。日本人が花を愛でるというレトリックで酒を飲んで無礼講するように、スペインでは厄年を言い訳に宴会するのかも。それにしても馬肉1個のサイズ感が気になります。

◎ 一方エジプトは布を乞うた

エジプトでは男女いずれも4歳から厄年が始まり、以降4年毎に56歳まで続きます。厄年のオリンピックというか厄年のアメリカ大統領選挙です。厄年になると近隣の老人達(つまりご長寿)から布をいただき、その集めた布を継いで作った服を身に纏うことで厄を落とします。4年おきの厄年の度にそれを行い、厄年が終わった頃には貰う立場からあげる立場になる。こうやって伝統は継承されていくと思うと感慨深いものがありますね。また厄年には結婚を避ける傾向にあり、験を担ぐのは世界共有の掟のようです。

◎ 一方中国は赤くなった

中国では生まれた年の干支がそのまま厄年になるので、12年に一度厄年がやってきます。前厄本厄後厄などの厄年インフレが無いのはいいことですが、「今年は干支!」と日本人ならテンション上がるところが中国では厄がセットでやって来るとなると、手放しでは喜べませんね。12年ぶりの厄年を迎えると赤色か金色のものを厄除けと身につけ、春節(2017年は1月28日)から1週間は赤い服を着て家から出ずに過ごさなければなりません。行き詰まっていたRPGをクリア出来る可能性も広がりそうです。ちなみに中国の十二支は日本と全く同じですが、一部の国では兎の代わりに猫が入る干支もあります。もうすぐご出産の猫好きの奥様は猫年がゲット出来るチャンスもあるやなしや。

◎ 一方トルコは川に流された

厄年は男性が23、43、63歳、女性が13、33、53歳と20年毎に訪れます。赤ん坊が成人になるほどの時間を掛けた20年分のあれこれを溜め込んでやって来る厄年ですので、その厄を追い払うのが大がかりであるのは必然であるのかもしれません。厄払いの為に親類縁者や友人の手で身代わりとなる等身大の泥人形を作り、それに原色の衣装を着せて川や海などに流します。派手な服で目立たせることで厄はそちらに注意が向き、そのまま流れに乗って去って行く泥人形を追いかけて厄が遠くに行ってしまうという寸法なのです。その間、厄年の当人は家の中でじっと隠れ厄に見つからないようにしないといけません。と、これ、いわゆる悪霊の類いに近い考え方なのかもしれないですね。

■ 世界に広がる厄払いの輪

他にもフランスやブラジルなど世界の幾つかの国には厄年と厄払いの風習があるようです。身体の不調、自身や身の回りの不幸などを何かしらの偶然と結びつけたり、目に見えないものに転化することで安心を得ようという心理は、国を超えて共通なのかもしれません。神様仏様なんて信じない!って人も今では多いかもしれません。でも、騙されたと思って一度寺・神社などで厄払いしてみて下さい。それを体験してる間は、普段雑音ばかりに囲まれている自分が無心になれる、それは貴重な時間であり体験です。家族の幸せを祈る豆まきと、自身の幸福を祈願する厄払い。願う気持ちはきっと同じですよね。

※ 尚、各国において宗教や地域等によって厄年が異なる場合、厄払いの方法が異なる場合もあります。

(著:nanapiユーザー・maxspeed)