(Mario Tama/GettyImage)

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 車の排気ガスが認知症にかかるリスクを高めるという論文が、医学誌「ランセット」1月7日号に掲載された。これまでにも、専門家の間では大気汚染とアルツハイマーなどの神経変性疾患との関連性が指摘されていたが、今回の研究では、カナダの研究所がより膨大なデータを分析し、その主張を裏付けた。

 カナダ・オンタリオ州公衆衛生局(PHO:Public Health Ontario)と臨床評価科学研究所(ICES:Institute for Clinical Evaluative Sciences)は、オンタリオ州に住む20歳〜85歳の650万人を対象に、2001年〜2012年まで、11年間の追跡調査を行った。それによると、交通量の多い道路から50メートル以内に住む人は、300メートル以上離れた地域に住む人より、認知症になる確率が7%高いことが分かった。一方、パーキンソン病や多発性硬化症などの場合は、変化はなかったという。

 論文をまとめたPHOのレイ・コプス(Ray Copes)氏は、「この調査結果は、空気の汚染物質が血液を通して脳に入りこみ、中枢神経系に影響を与えることを示した」と話している。

 昨年には、イギリス・ランカスター大学(Lancaster University)が、汚染された大気中に存在するマグネタイト・ナノ粒子が人の大脳に侵入し、脳組織を刺激してアルツハイマー型認知症をもたらす有害物質フリーラジカル(遊離基)を生成すると発表している。

 アルツハイマー型認知症は一種の脳神経の疾病で、症状として、記憶の低下、記憶の喪失、人格変化、認知障害(学習・記憶・理解・問題解決を含む)などがある。

(翻訳編集・豊山)