By id-iom

アイザック・アシモフは世界三大SF作家の1人として数えられ、小説内で説いた「ロボット工学三原則」が小説の世界を飛びだし現実のロボット工学に影響を与えたこともあります。そのアシモフが「どうやって人々は新しいアイディアを得るのか?」について冷戦期に書いたとされるエッセイがMIT Technology Reviewで公開されています。

Isaac Asimov Asks, “How Do People Get New Ideas?”

https://www.technologyreview.com/s/531911/isaac-asimov-asks-how-do-people-get-new-ideas/

◆複数の物事に共通する関係性

アシモフはエッセイの中で、新しいアイデアを生み出すには「1つの特定分野に精通しているだけでなく複数の事象に関係性を見いだすことが必要」と説いています。例えば、進化論を体系化したチャールズ・ダーウィンアルフレッド・ウォレスは、植物や動物を観察したり環境による種の変化に注目し、トマス・ロバート・マルサスの「人口論」で語られた人口過剰や淘汰という考え方を自然界にも適用したとのこと。つまり、生物や種に関する知識だけでなく、人口統計学的な知識があったことで、「進化論」という新しいアイデアを生み出すことができた、とアシモフは考えていたわけです。



By Aftab Uzzaman

◆新しいアイデアを生み出す人

アシモフはエッセイで「新しいアイデアは、最初こそ不合理なものとみなされますが、時間が経過と共に合理なものと考えられるようになっていく」と話しています。世界に影響を与えるような素晴らしいアイデアを生み出す人は、世間一般的に見ると変な人とみられるため、「自分のアイデアは合理性や常識を打ち破れるんだ」という自信を持っているとのこと。



By Egisto Sani

ただし、「変な人」というのは新しいアイデアを生み出すための十分な条件ではなく、大事なのはある分野で突出した力を発揮するものの、自らが備える価値観にこだわらないことであるそうです。

◆クリエイティブな人に対する対応&ミーティングの環境

斬新なアイデアを生み出す人に出会ったとき、他の人はどうすればいいのでしょうか。アシモフは「アイデアを生み出すには一人になるということが必要になる。他の人が近くにいると、斬新なアイデアを生み出す人の創造力を散漫にさせてしまい、思考プロセスの邪魔になることがある」と話しています。

しかしながら、時には他人の考え方を取り入れることで、それまでには考えもつかなかったことを思いつくこともあるとのこと。これは「新しいアイデアを思いつくのを補助するというよりは、他人といることで思考を鍛えることができるため」とアシモフは考えています。

また、ミーティングのような多くの人が参加する場において新しいアイデアを生み出すには、一人一人が他の人の意見を否定しないことが求められるそうです。誰かがミーティングで意見を言って、他の人がその意見に対して冷たい態度を取ると、それを聞いていた他の人は思考が固まってしまいます。そのため、ミーティングのような場では、明るい雰囲気を作ったり、名前で呼んだりジョークを言ったりなど、堅苦しくない環境を作る方がよいとのこと。



By TEDxAmsterdam

こういった理由からアシモフは「会社で行うミーティングよりも、誰かの家やレストランでの食事会の方が生産性が高いかもしれない」と話しています。