化粧品ロレアルがスタートアップ支援 世界5社を選抜し育成開始

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化粧品大手ロレアルがスタートアップの支援プログラムを始めると発表してから半年あまり。インキュベーター/アクセラレーターのファウンディング・ファクトリー(Founding Factory)も参加する、この試みに選ばれたスタートアップ企業らが明らかになった。

180社以上の候補から選ばれたのは、次の5社。いずれの事業も「パーソナライゼーション」が鍵と言えそうだ。

InsitUは、核医学の博士号を持つ女性科学者が創業したスキンケア用品のブランド。個々のユーザーの肌色、肌質、好みの香りや質感に合わせてカスタマイズした化粧水や美容液などをオンライン販売する。

Preemadonnnaは、ネイルアートのプリンター「NailBot」を販売するスタートアップ。ユーザーが専用アプリを使ってネイルアートのデザインを作成した後、連動するプリンターの台に指先を乗せると、そのアートが爪にプリントされる仕組みだ。

Cosmoseは、実店舗を主体とする小売などオフラインベースの企業に、位置特定技術を活用したオンラインマーケティングのツールを提供するデジタル広告会社。ポーランドの起業家が創業し、既にアジアでは成功を収めている。

Velezaは、美容に関心のある女性を対象としたコミュニティアプリ。レビューやレコメンド機能が充実しており、ユーザーは自分にぴったりなメイク用品を探すことが可能だ。

Tailifyは、ブランドとSNS上で影響力を持つ人々をつなぐインフルエンサー・マーケティングのプラットフォーム。ブランドとインフルエンサーが、専用アプリ上で報酬などの交渉を直接行うことができる。

これらの5社は6ヶ月にわたり、ファウンダーズ・ファクトリーの専任チームによる指導のもと、ロレアルの科学的ノウハウおよびマーケティング、リサーチ、イノベーション部門のバックアップを受けることになる。

最新テクノロジーを美容分野に

ファウンダーズ・ファクトリーは、ヘンリー・レーン・フォックスとブレント・ホバーマンが創業したテック系のインキュベーター/アクセラレーターで、ロンドンを拠点に世界的に展開している。ロレアルは2016年5月、同社に戦略的投資を行い、共同で初期段階のスタートアップ5社を支援すること、さらに2つの新規事業を立ち上げることを公表していた。

フォックスCEOは、このスタートアップ支援プログラムについて「支援対象を年間5社に絞っているため、非常に厳しい競争が行われます」と語る。「私たちは、ビジネスを成功させることがどれだけ大変か、また創業者が資金、時間、リソースを確保することにどれほど苦労しているかを熟知しています。私たちの専門知識と、ロレアルの事業規模やノウハウを掛け合わせることで、グローバル展開を目指すスタートアップに比類のないチャンスを提供することができるでしょう」

一方、ロレアルのチーフ・デジタル・オフィサーであるルボミラ・ロシェは「既存概念を打ち破る新しい発想や、消費者の期待に叶う新しいサービスを生み出す上でキーとなるのが、開かれたイノベーションです」と話す。「私たちが持つ美容の専門知識を活かし、ファウンダーズ・ファクトリーと共に次世代の起業家を支援することに喜びを感じています」

ロレアル社はこれまでにもさまざまな先進的な取り組みを行ってきた。2015年には、AR(拡張現実)技術を利用したメイクの疑似体験アプリ「メイクアップ・ジーニアス(Makeup Genius)」を開発。また今年1月上旬にラスベガスで開催された家電見本市「CES 2017」では、髪や頭皮の状態を検知する各種センサーが搭載されたスマート・ヘアブラシを発表している。