三菱重工業の宮永俊一社長はMRJ開発の遅れの原因を「リスク分析が足りなかった」と話した Photo:AFP=時事

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 三菱重工業は1月23日、三菱リージョナルジェット(MRJ)の初号機納入時期が2018年半ばから20年半ばに遅れると発表した。

 パイロットが握る操縦かんの動きを可動翼に伝える電気系統のシステムを見直すために、設計や飛行試験のやり直しが必要になった。設計見直しでは、テロによる爆発などに備えて制御システムを機体の前方と後方に分散させる。

 確かに安全性は高まるが、納期を遅らせてまで対応すべきだったのかは疑問だ。航空会社関係者は「すでに高い安全性を実現しているMRJを普及させるには、開発スケジュールの順守が重要だった。最小限の修正で安全認証を取得してほしかった」と話す。

 三菱重工内にも、過剰スペックに異を唱える向きはあったが、結局、「世界最高水準のものづくり」を追求する主流派に押し切られた。

 5度目となる延期で、MRJ事業が被るダメージは計り知れない。

 第一に新規受注が困難になる。競合するブラジルの航空機メーカー、エンブラエルの「E175-E2」との投入時期の差はわずか1年ほどに縮まってしまった。MRJの売りだった最新エンジンを競合機に先んじて使えるメリットがほぼなくなったのだ。

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