「かけがえのない仲間と出会えたから、夢がさらに広がった」――DANCE EARTH PARTYの旅は続く。
「ダンスさえあれば世界と繋がれる」――この想いで、2006年から世界で踊る旅を続けてきたÜSA。全身で感じてきた感動を音楽というフォーマットで表現するため、EXILE TETSUYAとDream Shizukaという最高の仲間たちと、“ダンスでアースをハッピーに”をテーマに活動しているプロジェクトが、DANCE EARTH PARTYだ。現時点で達成した夢、これから実現させていく夢。お互いに冗談を言い合いながら仲良くスタジオ入りした、3人の核心に切り込んだ。

撮影/平岩 享 取材・文/馬渕信彦 制作/iD inc.
スタイリング/YAMATO(Rising Sun)【ÜSA、TETSUYA】、後藤則子(Post Foundation Inc. )【Shizuka】
ヘアメイク/水野明美(H.M.C)【ÜSA、TETSUYA】、永井友規(Allure)【Shizuka】




一緒にパーティを組んで、いろんな世界を旅していこう



――DANCE EARTH PARTY 結成の経緯とコンセプトから教えていただけますか?

ÜSA もともとDANCE EARTHのプロジェクト自体は、僕が2006年に旅をスタートさせたところから始まりました。世界のダンスを踊ってみたいという夢から、最初にキューバの人たちと踊ったときに、知らない者同士がダンスの力によって一瞬で近づけたんですよね。「ダンスさえあれば世界と繋がれる」と思って旅を続け、これまでに書籍やDVD、絵本や舞台で表現してきました。

――そこからどうなりましたか?

ÜSA 次に、「音楽で表現したい」という気持ちを僕なりに表現したのが、DANCE EARTH PARTYです。ひとりで旅して踊るより仲間がいたほうが楽しいので、一緒に踊る人がいないかなと見渡したらTETSUYAがいて。で、僕らは歌えないので、この気持ちを歌で表現してくれる素敵な人がいないかなと見渡したらShizukaちゃんがいて。一緒にパーティを組んで、いろんな世界の旅をしていこうというのが、DANCE EARTH PARTYのコンセプトですね。



――EXILE TETSUYAさんとDream Shizukaさんは、どんな想いで今まで活動してきたのでしょうか?

TETSUYA EXILEメンバーとして荒波に揉まれ、葛藤もありながらパフォーマンスを続けてきた僕の迷いを吹き飛ばしてくれたのが、ÜSAさんでありDANCE EARTHプロジェクトなんです。ダンスに対して素直になれたし、ダンスと向き合う姿勢を0から作ってくれた存在です。
Shizuka 男女混合ユニットという初挑戦な部分もあったので、少し戸惑いもありました。でもリリースを重ねていろいろな活動をさせていただくなかで、ボーカリストとしての自分の在り方がわかってきたというか…。ÜSAさんやTETSUYAさんの声になるべく、自分がもっともっと音楽に深く興味を持って取り組んでいかなきゃという気持ちが強くなりました。



――といいますと?

Shizuka 今まで自分が知らなかった音楽に対する知識だったり、音楽の根本的な成り立ちなど、DreamやE-girlsとは違った視点で音楽を意識するようになりましたね。DANCE EARTH PARTYの活動を通して、私は歌が好きなんだなってことを改めて気付かされたり、音楽の魅力を再確認する瞬間が何度もありました。Dream Shizukaとして、そしてボーカリストとして、自分にしかない色をこのグループを通して発見していきたいと思っています。

――待望の1stアルバム『I』は、いつ頃から制作に取り掛かったのでしょうか?



ÜSA 2013年に『イノチノリズム』というDANCE EARTHの舞台のテーマソングを作ったとき。そこからDANCE EARTH PARTYが始まったので、制作期間は3年以上になりますね。具体的にアルバムとしての構想を描き始めたのは、TETSUYAとShizukaちゃんが正式メンバーとして加入した2015年。あの国のあの要素を取り入れたいね、とか話し合いながら、それをシングルで表現していって。その積み重ねがアルバムになったときに、いろんな世界を旅している気分になってもらえたら最高だなって想いでアルバム制作を始めました。
TETSUYA そういったアルバムの構想はずっと持っていて、いざ本格的な制作を始めたのは去年ですかね。



ÜSA ほぼ新曲なので、Shizukaちゃんが怒涛のレコーディングの毎日を過ごすという(笑)。
Shizuka 去年の10月に開催した『DANCE EARTH FESTIVAL ’16』に向けて新曲を制作して、その後は収録曲のバランスをみて新しい曲をレコーディングしていったという感じですね。

――アルバムを制作するにあたり、何かテーマみたいなものはあったのでしょうか?

TETSUYA 3人で活動するようになってから“ダンスでアースをハッピーに”という言葉を掲げていたので、それがテーマと言えるくらいハッピーな曲を集めていきました。その上でShizukaちゃんのソロ曲とか『To The World feat. Afrojack』みたいな壮大な曲も入れて、DANCE EARTH PARTYらしくもバランスのとれた、3人の個性もしっかり出せた内容になったと思います。

――アルバムのタイトル『I』に込めた想いとは?

ÜSA これは純粋に1枚目のアルバムということで『I』(ワン)としました。アーティスト名がコンセプトみたいなものなので、アルバムのタイトルはわかりやすくていいかなと思って。



「優しさと尖った部分、二面性を表現できた」(Shizuka)



――では、新曲を中心に収録曲についても話を聞かせてください。まずリード曲の『Do It!』は、どのように制作を進めていった楽曲なのでしょうか?



ÜSA さっきTETSUYAが言った“ダンスでアースをハッピーに”を象徴するような、より多くの人に共感してもらえる曲にしようって話から始まって、DANCE EARTH PARTYの想いが空へ飛び立っていくようなイメージで作った曲ですね。
Shizuka このグループの軸となっているものがダンスなので、アルバムにはダンスが際立つ楽曲が多く収録されています。その中でも『Do It!』は、歌って踊れる雰囲気を持った曲だと思います。スタートラインに立ち、そこから飛び立っていくときの葛藤など人の内面にもフォーカスして歌詞を考えました。DANCE EARTH PARTYらしい、普遍的な表現ができた楽曲だと思います。



TETSUYA 他の曲に比べてテンポも遅いですし、しっかり踊れる曲です。MVでも今作『I』から始まっていく僕らのスタートと、歌詞の“You can do it!”ってメッセージがうまくリンクしてて、みんなもできるんだよって力強いメッセージが伝わると思います。
ÜSA 昔はずっと90年代のHIPHOPで踊ってたので、得意なBPMではあるんですよね。EXILEの初期みたいな振り付けの間とかタメとか、久しぶりな感じも楽しかったですね。それこそ、子供からおじいちゃんおばあちゃんまで楽しめる楽曲に仕上がっていると思います。

――ÜSAさんが冒頭で「一緒にPARTYを組んで、いろんな世界の旅をしていこうというのが、DANCE EARTH PARTYのコンセプト」とおっしゃっていた通り、今作の収録曲は世界の国をイメージさせる楽曲が特徴ですよね。たとえば新曲『Life Goes On feat. U-zhaan』はインドだったり…。

ÜSA おっしゃる通り、僕がインドを旅したときに感じたことを音楽にしました。あの国は天国も地獄も光も陰も両極端で、それがぐちゃぐちゃに混ざり合っているんですよね。葛藤や迷いを抱えながらも、人生は続いていく。そんなことをテーマに歌詞を作ってもらい、曲にも歌を聴かせる部分と踊る部分があって、サウンドアプローチでも二面性を意識しました。タブラ(インドの楽器)奏者のU-zhaanさんとシタール奏者の方に参加していただいて、より怪しげなインド感が出せたと思います。



TETSUYA この曲はShizukaちゃんも新たな一面が出せたんじゃない?
Shizuka どの辺がですか?(笑)
TETSUYA E-girlsでもDreamでも見たことがない感じだったから。今までDANCE EARTH PARTYでもハッピーな曲を歌ってきたので、今回はShizukaちゃんのカッコよさが出たんじゃないかなって。
Shizuka そう言っていただいた後に言うのもあれですが、素に近いですね。何か…言いづらいですが(笑)。



ÜSA 素はオラオラ系だぞと。
Shizuka 違います!(笑) 優しさを全面に出した部分と、自分の中にある尖った部分を出せたので、二面性を表現できたという意味では素に近いのかなと。

――そういった部分を表現できるのって、歌い手冥利につきますよね?

Shizuka 楽しいですし、新鮮な感覚ですね。E-girlsやDreamだと、いい意味で自分のキャラクターや色が決まっているんですけど、DANCE EARTH PARTYは何でもありなので、自分のいろんな面が出せてますね。



「ボーカルの声ってすごく偉大だなって」(TETSUYA)



――続いて『HEART OF A LION / DANCE EARTH PARTY×EXILE THE SECOND』について。この曲については、ぜひTETSUYAさんに伺いたいです!

TETSUYA “DANCE EARTH PARTY×EXILE THE SECOND”ということで、僕は2つのグループを兼任してますからね(笑)。『DANCE EARTH FESTIVAL ’16』で始めて一緒にステージに上がったときは、不思議な気持ちでした。DANCE EARTH PARTYの衣装で出ているんだけど、SHOKICHIの声を聞くとEXILE THE SECONDのスイッチが入るんです。ボーカルの声って、すごく偉大だなと思いました。自分がSECONDのスイッチが入る瞬間があるってことは、同じダンスでも違う表現の仕方を持てているってこと。そこを気づかせてくれた楽曲でもありました。

――歌詞の世界観についても解説をお願いできますか?

TETSUYA アフリカ、サバンナの広大な大地ってイメージで、強いライオンの気持ちを表現した曲ですね。サバンナを僕らが住むコンクリートジャングルに置き換えて、その中でプライドを持ちながら戦い抜いて生き抜いていくっていう歌詞をSHOKICHIが書いてくれました。ÜSAさんがEXILEを勇退されて、僕らがそれを受け継いで、同じ精神をShizukaちゃんも持っている。そういうLDHストーリーも描けた曲だと思いますね。




――今作にはDream Shizukaさんのソロ・バラードを2曲収録。その1曲が『Slow Morning』です。

Shizuka せっかくのソロなので、自分の視点から自分にしかできない表現がしたいと思って。朝にあふれる身近な幸せを表現しました。朝一番にゆったりした気持ちで聴いていただけたら嬉しいです。

――そしてもう1曲のソロ曲が『夜曲〜ノクターン〜』になるわけですね?

Shizuka はい。きっかけは、おふたりから心地よく眠りにつける曲が欲しいというリクエストがありまして。
ÜSA 疲れてるんです、僕ら(笑)。
Shizuka 基本的にDANCE EARTH PARTYの楽曲って、おふたりの願望が軸になっています。願望がアイディアになって、それが素敵な楽曲に変化していくという。歌う側としては大変だったりするのですが(笑)。



――(笑)。

Shizuka 歌詞はいつもお世話になっている作詞家の小竹正人さんにお願いしまして、夜の暗闇の中で一日を振り返ったときに、寂しさの中に見つけた幸せを思い浮かべて、明日も頑張ろうって素直な心で眠りにつけるような歌詞を書いていただきました。ここまでテンポの遅いバラードは私も初めてだったんですが、実はこのテンポは、お母さんが子供に聴かせる子守唄のテンポと同じだそうで。ÜSAさんとTETSUYAさんをはじめ、みなさんを素敵な眠りへと誘う子守唄を歌っているような気持ちでレコーディングしました。
TETSUYA 確かに優しい歌声だった。
ÜSA この曲があれば眠れる。

――新曲『AZONTO』の解説をお願いします。

ÜSA AZONTOというのは、アフリカのガーナで流行っているダンスで、日常で起きたことを踊りにして会話するんです。そうやってダンスで繋がるのって素敵だよね、これを歌にできたら面白いね、ってところから曲作りが始まって。どういう歌になるんだろうと想像もつかなかったんですけど、プロデュースしてくださったGiant Swing Productions さんが素晴らしい曲にしてくれましたね。
Shizuka デモを聴いてこれは難しい曲だなと思ったので、気合いを入れてレコーディングに行ったんですけど、プロデューサーさんからこの曲は気楽に楽しんで歌うほうが上手く歌えるよって言われて。最初は拍子抜けしましたが、確かにそうかもしれないと思って、楽しみながら気の向くまま自由に歌いました。
ÜSA 踊りも同じですよ。一生懸命にガシガシ踊るのもカッコいいですけど、力を抜いて気の向くままに踊るのは楽しいんですよね。それをこの曲が物語っています。