アートのような、カオスな予告編。

私たち人間は視界に入る物体を特に意識することなく認識できますが、それは長い間、コンピューターにとっては難しいタスクでした。しかし近年、画像認識の精度は目覚ましい進化を遂げて向上しつつあります。

そこで、「物体検出アルゴリズムというレンズから見る、ペースの速い映画の予告編はどんな感じなんだろ? 」という疑問を解消すべく、コペンハーゲンのコーディングスタジオStøjが映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の予告編を使って、An algorithm watching a movie trailerなるプロジェクトに着手。



Yolo-2というアルゴリズムを通して作られた3本のビデオは、次々と場面が変わりゆく映画の予告編をアルゴリズムがどう処理しているのかという点で興味深いだけでなく、どんどんカオス感が増していくデジタルアートとしても見ものとなっています。

最初のビデオ「Object Masking」は、ソフトで認識された物体のみが現れるオブジェクト・マスキングというフィルターを使っています。ほとんどの物体がちゃんと分類されているのですが、マコノヒーのネクタイがダブって認識されていたり、ワイングラスやマルティーニグラスが識別されてなかったりしますね。



続いては、認識した物体にモザイクがかかる「Automatic Censorship」。俳優の姿がボカされるという、映画の予告編としてはあってはならないことが起きていますが、本作のようにレイティングがR18だとしても、ヌードや暴力シーンはごまかせそうです。



3本目の「Object Detection Only」では、認識された物体の枠線とラベルのみが表示されるフィルターを使っているので、真っ黒な画面に物体の枠線とperson, carなど物体名が表示されるだけというカオスな状態に。



ここまで来ると何が何だか…といったところでコチラが本家本元の予告編映像です。


さすがに2本目や3本目のビデオだと、私たち人間にとって予告編の役割を果たさなくなりますが、物体検出アルゴリズムの視点という観点は面白いので、展開の速度やジャンルが異なる予告編でも試してもらいたいものです。

個人的には『X-MEN』シリーズの登場人物がどこまでpersonとして認識されるのかが気になります…。

・スマートフォンでDNA診断できる時代が到来!?

Source: Støj1, 2, vimeo1, 2, 3, Prosthetic Knowledge, IMDB, Youtube
Sidney Fussell - Gizmodo SPLOID[原文]
(たもり)