試乗会イベントのプレゼン等で日産の熱意を実感した後、いよいよノートe-POWERの試乗です。

試乗車は、オーテックジャパンがプロデュースする真っ赤な「モード・プレミア」。写真で見るとグリル形状等がマイナーチェンジ前と変わらないように見えますが、実車ではシルバーのフロントスポイラーを採用した新デザインのフロントバンパーが上質な存在感を演出しています。

今回は小一時間ながら、横浜の市道と高速道路、平地のワインディングを試すことができました。

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最初は、ノーマルモードでスタート。会場から公道に乗り入れて、軽くアクセルを踏むとクルマがグイっと押し出されていきます。アクセルに瞬時に反応して、駆動モーターから滑らなパワーが湧き出てくるようで、走り出してから数分でモーターパワーのメリットを実感できました。

次は、高速道路です。スポーツモードに切り替えて、高速入口からアクセルを踏み込むと、加速が鋭くて速い、速い。試乗会に同行して後席に座っている末娘に「酔うかも、注意して」と声をかけた程でした。

ただ挙動自体は、ハイパワーFF車がホイールスピンをしながら前方に跳び出す感じではありません。車両全体が腰を落としながら加速していく安定した感覚で、パワーユニットや駆動バッテリーの重さが影響しているのでしょう。

興味深かったのがエンジン回転でした。アクセルを踏み込んで急加速をすると、急速発電を強いられたエンジンもグワ〜っと回転を上げるのですネ。もちろんe-POWERのアクセルとエンジンは直結していないのですが、急加速の時はまるでエンジン駆動車のようにアクセル操作と同調するので、ちょっと不思議な気がしました。

高速での巡航も追い越しも、逞しいモーターパワーのお陰で、コンパクトカーとは思えないほど余裕を持って走行することができました。

続いて高速から市道に降りて、ECOモードに切り替えると、さすがにパワー感がガクンと落ちました。ただアクセルを踏めば必要なパワーを引き出せるので、街中では充分だと思います。

赤信号が見えてきたのでアクセルを離すと、予想以上に強いエンジンブレーキのような減速がかかります。体感的には、巡航中にいきなり1速か2速に入れて減速するような感じでしょうか。

もちろん少しづつアクセルを緩めることで減速度合いを調整できますし、減速途中ならアクセルを開けている状態でもしっかり電力を回生しているので、燃費にも効いていることが確認できました。

最後にちょっとした平地のワインディングで、再度スポーツモードにしてみました。アクセル操作の加減速で、素早くコーナーを駆け抜けることができるので、ドライビングがとても新鮮でとても楽しい!  フロントシート下に駆動バッテリーがあるせいか、クルマの挙動も低重心感覚で安定していました。

ただ試乗車はボディや足回りを固めたスポーツ仕様ではないので、スピードを上げてコーナーに入ると、ハンドリングの精度が少し甘いとか足回りがパワーに負けそうになるのは仕方のないところ。それでもスポーティに気持ちよくドライブできましたから、ノートe-POWERの基本性能は相当レベルが高いと思います。

注目のワンペダルドライブは、実際の運転でもブレーキ操作を大幅に減らすことができました。従来のエンジン駆動車は、アクセルもブレーキもペダルを「踏む操作」が基本なので、アクセルをじんわりと「戻す操作」を維持するワンペダルドライブは新鮮な感覚です。ただ体の硬い中年オヤジには、右足のふくらはぎが慣れるまでちょっと時間がかかりそうです。

試乗では、ワンペダルドライブでECOとパワーの両方を試し楽しみながら運転することができました。試乗の終りにメーターに表示された燃費は、22.1km/L。「この走りでこんなに良いの?」と思わず声に出してしまいました。

カタログ燃費の約7割の数値なので、同条件で走らせたらライバル他車も同等の数値になると思います。それなら筆者は、走りの新しさと楽しさに優れたノートe-POWERに軍配を上げたいと思った次第です。

今回の試乗会での体験を一言で表現すると「帰ってきた“技術の日産”」です!

e-POWERは技術的には「シリーズ式ハイブリッド」に分類されますが、エンジン車と同等の居住・荷室空間を実現するには、エンジン・モーター・インバーター・駆動バッテリーの小型化が必須。しかもモーター駆動のノウハウがなければ、完全電動化も実現できません。さらに生産実績がなければ、リーズナブルな価格設定も成し得ません。

つまりノートe-POWERは、EV技術の革新と継続の両方がなければ成し得ないクルマということが、今回の試乗会でとても良くわかりました。

それにつけても、本当に久しぶりにワクワクする日産車に出逢うことができました。e-POWERは、静かさと燃費重視のファミリーユースだけでなく、鋭いレスポンスと高いパワーでスポーツユースも満足できます。

最初はこんなに凝ったパワーユニットがノートに載るなら、キューブやジュークにも搭載できると思いましたが、いやいや我ながら発想のスケールが小さいですネ。e-POWERでFRを作れないかなとか、ミッドに積んだら凄いスポーツカーができるとか、容量を上げたらミニバンや高級車にもいけますゾ、というように、発想を広げた分だけ期待も上乗せされるようです。

筆者個人としては、e-POWERは「ファミリー」と「スポーティ」を両立したかつてのスカイラインのようなクルマにこそ相応しいと強く実感しました!

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

日産NOTE e-POWER SPECIAL TEST DRIVE
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