次期韓国大統領選に立候補を目指す潘基文・前国連事務総長への風当たりが強まっている。韓国紙では「素人政治家」などの批判的な論調が目立ち、支持率も下落している。写真は国連の潘基文氏の画像。

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2017年1月27日、次期韓国大統領選に立候補を目指す潘基文・前国連事務総長への風当たりが強まっている。国際派大統領の誕生に期待する声もあったが、最近は韓国紙でも「素人政治家」などの批判的な論調が目立つ。支持率も下落し、トップを走る最大野党「共に民主党」の文在寅前代表に差をつけられている。

潘氏は昨年12月、「韓国の発展に役立つならば、この身を燃やしてでも努力する用意がある」と述べ、事実上の大統領選宣言に踏み切った。その直後、最大の発行部数を誇る朝鮮日報は社説で「潘氏については国民の間で期待と懸念が交錯している」としながらも、「10年にわたり国連事務総長として世界各国の首脳らと渡り合い、世界各国の問題に取り組んできた潘氏の知識と経験は、今のところ世界では中規模国でなおかつ強大国に囲まれた韓国にとって大いに役立つかもしれない」と期待感をにじませた。

今月12日に帰国した潘氏は、同氏を外交通商相に起用し、国連事務総長に送り出した故盧武鉉大統領の墓地を訪問したり、死者・行方不明者304人を出した旅客船「セウォル号」の沈没現場に近い港に出向いたりするなど、精力的に各地を回っている。「まず民心を聞きたい」との理由だという。

こうした潘氏の動きについて、朝鮮日報は一転して「帰国後1週間で韓国人をがっかりさせた『素人政治家』潘基文」との社説を掲載。「潘基文氏の最近の動きを見ると、国民に何か明確な独自のメッセージを伝えるのではなく、ただみんなを満足させるためにあちこち行ったり来たりしているだけのように見える」と酷評した。

発言についても、「国際外交の舞台で長年先頭に立ってきた人物が韓日慰安婦合意の再交渉を示唆するとは、ほかの大統領選出馬候補者と何一つ違わない素人のように見えた。深刻な経済危機の解決策として未来志向的なビジョンを掲げることもなく『財閥改革』を持ち出したのも、無責任な大衆感情を後追いしているだけだ」などと批判。「ほかの候補者たちには決してまねできない、潘基文氏ならではのビジョンを提示できなければ、状況はさらに厳しくなるだろう」と突き放した。

一時はトップに立った支持率も低迷。世論調査会社リアルメーターが23日に発表した次期大統領選有力候補の支持率調査では、文氏が前週より3.0ポイント上昇の29.1%となり、1位を守った。2位の潘氏は前週より2.4ポイント下落の19.8%で、両者の差はさらに広がった。潘氏については、否定的な報道が相次ぎ、支持率が下落したと分析している。

米国の司法当局が韓国の建設会社の顧問などを務めた潘氏の実弟を中東の当局者に250万ドルの賄賂を贈ろうとしたなどの罪で起訴し、韓国政府に身柄の引き渡しを求めていることも悪材料の一つ。聯合ニュースによると、潘氏は事件への関与を否定し、「親せきの問題でご心配をかけ、申し訳ない」とコメントしたが、大統領選への影響は避けられそうにもない。(編集/日向)