歴史や都市の変化隠れる「Y字路」に焦点  台湾で書籍出版…栖来ひかりさん

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(台北 28日 中央社)台湾で今月出版された「台湾Y字路さがし(在台湾尋找Y字路)」(玉山社)で台湾にあるY字路を独自の目線で紹介している。Y字路とはグラフィックデザイナーの横尾忠則氏が提唱したとされる鋭角を持つ三叉路の概念。栖来(すみき)さんは「町歩きが楽しくなるのでは」と語っている。

きっかけは雑誌の企画で台北の古民家を取材している際、台北市内の同安街でY字路を見つけたこと。写真を会員制交流サイトに投稿したところ、地理に詳しい簡肇成さんからコメントが寄せられ、一方の路地は昔、川だったと告げられると、道路に隠された歴史に気付いた。

台北の過去の地図が見られるスマートフォンアプリ「台北歴史地図」を使いながら各地のY字路に赴くと、鉄道の線路が道路になっていたり、もともとあった水路が暗渠化されたなど、ありふれた路地に新たな発見があり、記録するようになった。

「現代の都市の作りでいうと、碁盤の目が基本。Y字路は不自然な道。なぜ不自然な形なのかというと、絶対に理由がある。それが面白い」と栖来さん。図書館などで関連資料を探し、Y字路だけでなく、周辺地域の歴史も調べた。

台湾で出版された本だが、中国語と日本語を併記。日台双方の人に楽しんでもらいたいという願いを込めた。台湾への理解を深めるきっかけとして「台湾の人が日本の人に(台北の地理を)分かち合うという意味でプレゼントしてもいい」と話す。

栖来さんはY字路を探すうちに「台湾の土地とすごく親密な関係を感じるようになった」「土地への愛情が深まった」と語る。今後も台湾原住民(先住民)の現在の文化や台湾で活躍する日本人女性などにスポットを当て、台湾の情報を発信していきたいと意気込んでいる。

(齊藤啓介)