ついに『虐殺器官』完成を迎えた(左から)石川界人、三上哲、中村悠一、櫻井孝宏、山本幸治プロデューサー

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 制作会社の経営破綻により公開が延期されていた劇場用アニメーション『虐殺器官』の完成披露試写会が28日、お台場のシネマメディアージュで行われ、声優の中村悠一、三上哲、石川界人、櫻井孝宏、そしてチーフプロデューサーの山本幸治らが喜びを語り合った。

 2009年に34歳の若さでこの世を去った小説家・伊藤計劃の作品をアニメ化していく「Project-Itoh」の第1作として企画されながらも、2015年に制作会社の株式会社マングローブが経営破綻し制作が中断。その後、チーフプロデューサーの山本が、新スタジオ「ジェノスタジオ」を設立し、数々の困難を経て、試写会の前日にようやく完成までこぎ着けた。

 ようやく完成した本作について中村は、「久しぶりに観た時に、こんな作品だったっけ? と思うくらい新鮮な気持ちで観られましたね」と切り出すと、「勝手にではありますが、お蔵入りになることはないだろうと、何かしらの形にはなると思っていました。ですから完成して良かったですねと言われるんですが、自分としては時間がかかっただけですね、という気持ちなんです」と晴れやかな顔を見せた。

 山本プロデューサーもホッとした様子で、「いっそのこと制作をやめた方が楽だろうと思ったこともあります」と明かしつつ、作品については「マングローブさんの意志を受け継いで、かなりいいものができたと思います」と満足げ。倒産時を振り返り、あまりの衝撃に「頭がハゲるかと思いました」と自虐的なジョークも発してみせる余裕を見せ、中村が「その手のギャグは困るんです」と困惑する一幕もあった。

 そして最後に中村は「アニメからのこの作品に入った人には伊藤さんの原作を手にとってもらいたい。伊藤さんの作品はご覧になる人によって印象が違うと思うので、それぞれの『虐殺器官』を見つけてもらえたら」と会場に呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)

映画『虐殺器官』は2月3日より全国公開