国内ウォッチ市場、富裕層とインバウンドがけん引 一方、スマートウォッチの出荷は減少傾向

写真拡大

 国内ウォッチ市場は富裕層とインバウンドがけん引したものの、期待されているウェアラブルデバイスでは、スマートウォッチの出荷が減少した。

 矢野経済研究所は時計メーカーや輸入業者、小売業者などを対象に、国内時計市場に関する調査を実施し、その結果を1月13日に発表した。調査期間は2016年10月から12月。調査では「ウォッチ(腕時計)」と「クロック(置時計・掛時計・目覚まし時計)」に分けて集計している。

 2015年の国内ウォッチ市場は、富裕層による需要と外国人旅行者によるインバウンド需要がけん引し、小売金額ベースで前年比17.7%増の9,002億円に拡大した。百貨店による富裕層の積極的な取り込みが奏功したほか、ボーナスの増額で中間所得の消費が回復し、市場拡大に寄与した。

 2016年以降の国内ウォッチ市場は、外国人旅行者の数は増えているものの、需要の主役だった中国人による「爆買い」が沈静化しつつあり、市場の拡大が一服する可能性がある。爆買いの多くが卸売業者や転売業者によるものだったことから、中国政府は関税率のアップや空港での取り締まり強化に動き出し、需要は減少している。しかし、ウェアラブルデバイスの1つとしてのスマートウォッチや、ランニング人口の増加で注目されているGPS搭載スポーツウォッチなどが新たな需要を生み、2020年の国内ウォッチ市場規模は、2015年比で8.9%増の9,800億円に拡大すると同社は予想している。

 一方、IDC Japan株式会社が12月15日に発表した調査結果によると、2016年第3四半期(7月〜9月)の世界のウェアラブルデバイス出荷台数は、前年同期比3.1%増の2,303万台となった。ウェアラブルデバイスには、衣服、メガネ、腕時計などさまざまな形態があるが、出荷台数の内訳をみると「腕時計型」が942万台、「リストバンド型」が1,268万台で、双方で市場の96.0%を占めた。

 腕時計タイプは「Apple Watch」に代表されるスマートタイプが284万台で、ベーシックタイプが658万台となり、リーズナブルなベーシックタイプの出荷が上回った。スマートタイプはウェアラブルデバイス市場全体が拡大する中、2四半期連続で前年を下回っている。

 スマホの補完的な役割を果たすスマートウォッチ。「Apple Watch」の登場で一時期、大きな注目を集めたが、今のところ需要は足踏み状態となっているようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]