ライオンの子、遊び相手として購入されたもののネットで売りに出される(出典:http://metro.co.uk)

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昨年テックインサイトから、フランスのリヨンで家族のようにゴリラと暮らす夫婦の心温まるニュースをお伝えした。野生動物とともに暮らすということは、法的に許可されていても決して容易なことではないが、可愛がり互いに絆を深めている姿を見るとなんとも心が癒されるものだ。しかしながら今回、生まれて3か月になるライオンの子供を「子供たちの遊び相手」目的で購入した家族が「もう要らない」とネットで売りに出そうとしていたことが判明、英紙『Metro』が伝えている。

ロシアではクマやライオンなど野生動物を飼うことは違法ではなく、ライオンの子供を飼うことに至ってはステイタスシンボルになるそうだ。しかし、それは野生動物の幸せにはならない。このほど、サンクトペテルブルクのある家庭が生まれて3か月のメスライオンをネットで売りに出そうとした。

その家族(名前は明かされていない)は、ネットにこのような広告を出した。

「メスのライオンを子供たちと遊ばせるために購入したのですが、65,000ロシア・ルーブル(約124,000円)で売ります。警告! 引っ掻いたり噛んだり、おしっこもします」

まるでライオンが成長するとどういうことになるのか知らなかったかのように、次の飼い主へ警告を発している家族に動物愛護団体が目をつけた。さらにロシアの動物保護センター「Veles(ヴェーレス)」もこの投稿をシェアし調べたところ、この家族は「Tver(ツヴァ)」と「Tula(トゥーラ)」と名付けられたオスとメスのライオンを飼っていることが判明した。

「Veles」のスポークスマン、アレクサンドラ・フェドロヴ氏は「生後3か月のライオンともなると、1頭で一日あたり18kgもの肉の餌が必要となります。これから先もこの2頭をペットとして飼い続けていくことは不可能ですよ」と話している。

子供の遊び相手という“おもちゃ”代わりに購入され、「要らなくなったから」と放棄されようとしていたライオンたちの引き取り先が懸念されたが、幸いにもベロゴルスクにある「The Taigan Safari Park(タイガンサファリパーク)」がこの2頭を引き取ることに関心を示しているという。

このニュースを知った人たちからは「ライオンがライオンらしく振る舞ってショックを受ける人たちがいることに驚きだ」「最後まで責任を持って、引き取ってもらえる所に飼育代を支払うべきよ」「最低の愚か者だね」「子供のライオンでも、成長するに決まってるじゃないの。野生動物なんか飼うべきじゃないよ」「この家族の常識を疑うね」といった厳しい批判の声があがっている。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)