Doctors Me(ドクターズミー)- 問題視される“モンスター患者” 病院側ではどんな対応をしているの?

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2017年1月20日(金)、岐阜市の歯科医院で発生した、男性院長の刺殺事件。
当時大きくニュースにも取り上げられましたが、原因は院長と男性患者とのトラブルにあったと報じられました。

実際、暴力や暴言などでトラブルを起こす「モンスター患者(モンスターペイシェント)」に対応した医師は7割以上にも上り、医療現場では深刻な問題となっているようです。(参考)

今回は「モンスター患者」について、トラブルの事例、病院側で行っている対応などを医師に解説していただきました。

モンスター患者とは


医師をはじめ医療関係者に、不当な要求をしたり、暴力をふるったりする患者さんやそのご家族のことを指します。

モンスター患者のトラブル例と対処方法

暴言



■ 事例
待たされたことに対して、受付スタッフをはじめ医療関係者にどなりつける、叫ぶ、土下座を要求する、何時間もクレームを言い続けるなどのケースがあります。

■ 対処方法
一例ですが激高している方に対してはまず謝罪して心を静めてもらうしかありません。
また、状況や事情を説明して理解を求めますが暴言などがエスカレートし業務に支障をきたす場合には警察に連絡することもあります。

暴力



■ 事例
治療をはじめとした病院に対する不満から、医療機器を壊したり、備品を壊すなどの行為を起こしてしまうケースがあります。
また、医師から言われたことに対して不満をいだき、医師に殴りかかるなどの方がいます。

■ 対処方法
器物破損になった場合は法的に対処していくことになります。
また、殴りかかってきた場合には速やかに助けをもとめ、男性スタッフがすぐに駆け付けるようにします。
場合によっては警察に対応してもらいます。

不当要求



■ 事例
受けた治療に不手際があったとして、金銭を請求してくるケースがあります。
また、検査を行っても異常がなければ検査代の返金を求めるなどのケースもあります。

■ 対処方法
治療や検査に対してまずは説明を行いますが、それでも納得がされない場合や要求が継続する場合には、病院の顧問弁護士に対応してもらいます。

モンスター患者によって医療スタッフに起こりうる悪影響


ちょっとした暴言などでも医療スタッフのモチベーションが下がる他、人によっては抑うつ状態になってしまう方もいます。
また、心の疲れが体の疲れに発展し医療の質の低下につながってしまいます。

モンスター患者に対し、病院全体として行っている対応


スタッフへの周知


病院によって様々だとは思いますが、例としては何か騒ぎがあれば、近くのスタッフがすぐにかけつけるように周知しておきます。

警察


暴言、暴力をしてくる患者さんに対して、刑法にふれるような事態が発生すれば速やかに警察に通報します。

弁護士


注意をしても脅迫行為や不当要求などが止まらない場合は病院の顧問弁護士に連絡し、その窓口になってもらいます。

その他


暴力を防止するために、監視カメラをつけたり、非常時に警備会社や警察へ速やかに連絡できるような非常ボタンなどを整備することもあります。

実際に医師が体験したモンスター患者


80代の高齢の女性患者さんで、循環器の疾患で急性期の治療の為に入院していました。

治療後は療養病床などに入院する必要があったのですが、その必要性をいくら説明しても、旦那さんも一緒になって自宅に帰らせろと怒り続けられてしまい、困り果てました。

モンスター患者問題に対する今後の課題


まずは患者さんがモンスターにならないように、医療者は患者さんとのコミュニケーションをしっかりとり、行う医療行為に対してしっかりと理解をしてもらう必要があります。

それでも問題が発生した場合は、病院として事件が発生した場合の対策をしっかりと考えておき、医療スタッフを守るように制度を整えていかなければならないと考えられます。

最後に医師から一言


最近は、医療に限らずちょっとした苛立ちから事件に発展することも耳にします。

医療者としては患者さんの話や思いをしっかりと聞き、説明しますので、また患者さんもわからないことがあれば臆せず説明を求めてください。

(監修:Doctors Me 医師)