代表的な精神疾患の1つ双極性障害(そううつ病)の発症に関連する遺伝子を発見したと2017年1月24日、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)など合同研究チームが発表した。コレステロールなどの血中濃度に関連する遺伝子で、生活習慣などを改善すれば予防につながる可能性があるという。

研究成果は国際学術誌「Molecular Psychiatry」(電子版)の2017年1月24日号に発表された。

そううつ病は「ありふれた精神疾患」

藤田保健衛生大学の発表資料によると、そううつ病は「うつ」(落ち込む)と「そう」(はしゃぐ)の気分の波を繰り返す病気で、100人に1〜2人の割合で発症する。精神疾患の中では「ありふれた病気」だが、詳しい原因はわかっていない。研究には全国32の大学・施設が参加。患者2964人と患者以外の6万1887人のゲノム(全遺伝情報)を比較、病気の発症に影響する遺伝子の塩基配列の違いを約90万か所で分析した。

その結果、「FADS遺伝子」がそううつ病の発症に関連があることがわかった。この遺伝子は、コレステロールや青魚などに含まれる不飽和脂肪酸などの代謝に影響を与える遺伝子だ。ほかの研究でも、そううつ病の患者には肥満体型の人が多く、脂質代謝異常との関連が知られている。研究チームでは、「この遺伝子の研究が進み、仮に脂質代謝異常がそううつ病の原因になっていることが解明できれば、食生活の改善などによる予防や治療効果が期待できる」とコメントしている。