遠藤憲一、大杉漣、田口トモロヲ、寺島進、松重豊、光石研という、名バイプレイヤーたちが本人役としてシェアハウスで共同生活を送る……という設定のドラマ『バイプレイヤーズ〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら』(テレビ東京・金曜24:12〜)。

毎回、シェアハウスの中でおじさんたちがワチャワチャやってるのを、微笑ましく見守るドラマなのかなと思っていたら、今回は遠藤憲一と松重豊がダブル主演するドラマの撮影現場がメインの舞台。

……ということで、ストーリーもこのふたり中心に回っていき、他のメンバーはまさにバイプレイヤーのポジションだった。田口トモロヲのセリフなんて一言しかなかったもん。

もっと6人がじゃれ合っている姿が見たいのに……。

でも遠藤と松重による、嬉し恥ずかし50代男の友情ストーリーもコレはコレでよくて、ずーっとニヤニヤしながら観ていました。


俺達本当は仲良しじゃないってこと!?


遠藤と松重がダブル主演するドラマのタイトルは『相方』。

遠藤がいつもフライトジャケットを着ている刑事役、松重はいつも紅茶を飲んでいる刑事役……とまあ、あの人気シリーズを思わずにはいられないドラマだ。

ふたりは久々の共演を楽しみにしているのだが、撮影開始直前に「TAIZO Lady」なるゴシップサイトに、遠藤と松重はキャラ(長身&強面)がかぶっていることを気にして仲が悪く、共演NGとなっている……なんて記事が掲載されてしまう。

ふたりはそんなニュース、鼻にもかけないのだが、

遠藤「遠藤と松重は現場で目すら合わせないなんて、本当に信用しちゃうヤツいるんだからしょうがないよな」
松重「この年で仲良しこよしってのもおかしいでしょう〜」
遠藤「……えっ。じゃあ何よ、俺達本当は仲良しじゃないってこと!?」
松重「いや……違いますよ〜。心配性だな〜遠藤さんも!」

「仲いいよ!」という見解は一致しているものの、高らかに「仲いいじゃ〜ん!」と言うのは照れくさそうな松重と、ド直球で友情ボールをぶん投げてくる遠藤との間に若干のすれ違いが生じてしまう。

あだち充のラブコメを読んでいるような気分に


本人たちが「共演NGなんてことはないよ! 仲いいよ!」と言えば言うほど、周囲は逆に「……とか言いつつ本当は!?」と勘ぐって気をつかってしまうもの。

細川たかしが「イヤだなぁ〜、ボクはカツラじゃないよ〜。ほらほら、引っ張っていいよ!」なんて言えば言うほど、「……っていうカムフラージュでしょ? 本気で引っ張っちゃったら大変なことになるんでしょ!?」と思ってしまうのと同じだ。

待機場所を妙に離れたところにされたり、「カブる」という言葉を過剰に気にされたり……。

さらに、撮影現場に取材に来ていた「日刊タイゾー」なるサイト(キャッチフレーズは「マスコミの裏を突く!体制の裏を揉む!」)に、「共演NGの二人が遂に!繰り返される険悪ムードに疲労困憊のスタッフ陣」というでっち上げ記事が掲載され、ますます現場はビミョーな空気になってしまう。

なんてひどいメディアなんだ、タイゾー!

そうなってくると、お互いに「仲がいい」とは思いつつも、「そいう思っているのは自分だけで、あっちはそう思ってないんじゃ……」なんて疑心暗鬼になってしまう。

というのも、実はこのふたり、10年前に撮影していた映画『バイプレイヤーズ』で、それぞれ役の変更を監督に申し出ており、お互いに「相手から役を奪った」という後ろめたさを抱えていたのだ。

ヤングの友情だったら「あの時は……」なんて、もう一歩グイッと踏み込んで友情&真相を確認し合ったりもできるんだろうけど、50代の友情は、ビミョーな空気を感じつつも、必要以上に事を荒立てることを恐れ、踏み込むことができない。

観ている方は「んもう、お互いに好きなんだから、はやく告白すればいいのにっ!」と、あだち充のラブコメを読んでいる時的なじれったさを感じてしまうのだ。

結局、お互いに「自分があの役を奪ったことを怒ってるんじゃないか?」と思っていたということが(10年振りに)分かり、

遠藤「お互い役を奪い合ったり」
松重「その後勝手にウジウジしたり」
遠藤「やっぱりさ、俺達カブッてるんだよ!」

と、メチャクチャ笑い合うふたりの姿には「おっさんの青春だ!」なんてグッとさせられてしまった。

ちなみにオチとして、ドラマ『相方』は「他局の刑事ドラマにカブッてる」という理由で無期限の撮影延期が決まってしまうのだが……それ、最初に気づかなかった!?

バイプレイヤーズ6人がいない今期のドラマは大丈夫か!?


第2話のサブタイトルは「バイプレイヤーと共演NG」だったが、内容的には「共演NG」というより「カブり」の方にフォーカスされていたように感じた。

この「カブり」について、ドラマ後のミニコーナー「バイプレトーク」で興味深い話題が。

光石のマネージャーの元に、ある出演オファーが来たそうなのだが、「その時期、ちょっと館山に行ってるんで……」(『バイプレイヤーズ』のロケ先が館山)と断ると、オファー元から「依頼するとこ依頼するとこ、みんな館山って言ってるんですけど、今、館山で何かあるんですか?」と言われたという。

要は、「○○さんに断られたから、次は○○さんにオファーしてみよ」と、『バイプレイヤーズ』出演者に次々とオファーをかけていたということ。

この6人の需要ってそこまでカブッてるのか!

笑い話として話してはいたが、リアル「オレが受けた役、あいつが断った仕事かもしれない」状態を、正直なところ、どう思ってるんだろうか?

そして、やたらとドラマ、映画で見かけるこの6人が『バイプレイヤーズ』にガッツリ拘束されている今期、日本のドラマは大丈夫なのか!? ちょっと心配になってしまう(代わりに誰へオファーが行ったのか興味ある!)。

さて、今夜放送の第3話では、ドラマ中で「女癖の悪いキャラ」ということにされている光石の不倫が「週刊文春」にスッパ抜かれる模様。

「日刊サイゾー」は「日刊タイゾー」になるけど「週刊文春」は「週刊文春」のままなんだ!

光石研と山口紗弥加が不倫……というあたりも妙にしっくりきて、またニヤニヤさせられそうだ。
(イラストと文 北村ヂン)