ボーズから薄型テレビを中心としたホームシアターに、手軽に迫力あふれるサラウンド再生環境を追加できるホームシアターシステムの新製品3機種が2月10日より順次発売されます。

 

3つの製品は設置スタイルや価格が異なっていますが、それぞれ集合住宅や、住宅が密接して並ぶ都市生活者のライフスタイルを意識した設置性と、簡単セットアップ、そして高音質を意識したシステムであるところが共通点です。本稿では、そのうちの1つであるシングルスピーカーの“サウンドバー”「SoundTouch 300 soundbar」を紹介します。

 

1本でサラウンド音声を再現するサウンドバー

究極にシンプルなホームシアターシステムの姿を突き詰めていくと、行き着くところはたった一本のスピーカーを置くだけで快適なサラウンド再生が楽しめる“サウンドバー”ではないでしょうか。ボーズが発表した新しい「SoundTouch 300 soundbar(以下:SoundTouch 300)」は部屋に1本のスピーカーを置くだけで、包み込まれるようなサラウンドとパワフルな重低音の両方が楽しめるバーチャル5.1ch再生に対応する本格派シアターシステムです。価格は7万5000円(税抜)。

↑サラウンド再生に対応する“サウンドバー”「SoundTouch 300 soundbar」

 

ボーズから発売されているスピーカーシステム「Bose Solo 5 TV sound system」も、薄型テレビの音を手軽にパワーアップできるサウンドバーとしてロングランヒットを続けていますが、SoundTouch 300はHDMI接続したプレーヤー機器のサラウンド音声をデコードできるところが大きく異なります。

 

薄型テレビの画面の下、ラックの天板との間にあるテーブルトップスタンドの空間にピタリとはまる高さ5.7cmのスリムな本体。テレビに映る映像に没入できるよう、本体の色は落ち着いたブラックに仕上げています。

 

HDMI入力にBDプレーヤーやゲーム機につないで、4K動画もテレビにHDMIパススルー出力ができます。ARC(オーディオリターンチャンネル)にも対応しているので、テレビとの接続がとてもシンプルにできます。

↑背面にHDMI端子を搭載。ケーブルが挿しやすいデザインとしている

 

外部からの入力ソースはWi-FiやBluetoothにも対応しているので、コンパクトなスピーカーシステム「SoundTouch 10 wireless speaker」で先行して実現する「Bose SoundTouchアプリ」によるSpotifyやインターネットラジオの再生、スマホに保存した音楽のワイヤレス再生などにも対応。映画・音楽・ゲーム、そしてテレビ番組の鑑賞などマルチなエンターテインメントに本機単体でリッチなサウンドを加えることができます。

 

スピーカーの特徴は、独自技術の「PhaseGuideアレイ」を組み込むことによって、スピーカーから発した音をビームのように部屋の天井や壁に反射させて、スピーカーを置いていない場所に音像をつくり出します。新たに開発した「QuietPortテクノロジー」は、スピーカーのエンクロージャの中に配置した、音の通り道となる筒に細かなスリットを設けて、歪みのないクリアな低域を再現するための技術。全ての音のチューニングを独自の高精度なDSPで処理することで、映画やドラマでは話者の声が聴きやすく、真に迫るサラウンド音場を再現します。

↑本体内部には独自のサラウンド再生を実現する「PhaseGuideアレイ」や新開発の低音再生を強化する「QuietPort」などボーズ独自の技術が詰め込まれた

 

スピーカーをテレビの近くに設置した後は、ボーズ独自の自動音場補正機能「ADAPTiQ」を使えば、部屋の広さや家具の配置など個々の条件に合わせて最適化した視聴環境が5〜10分前後で手軽にセットアップできます。

 

SoundTouch 300がいかに優秀なスピーカーでも、ワンボディのサウンドバーで慣らしきれない低音域や、カバーしきれないサラウンド音場のリアリティをさらに追求するなら、オプションとして販売されるベースモジュール(サブウーファー)やリアスピーカーを後から追加購入することもできます。それぞれ「Acoustimass 300 bass module」、「Virtually Invisible 300 wireless surround speakers」として販売されるオプションは、SoundTouch 300とシックなデザインを統一。価格はベースモジュールが7万5000円、サラウンドスピーカーが3万5000円になります(いずれも税別)。

↑オプションのベースモジュールとサラウンドスピーカーを拡張すれば、よりリアルなサラウンド再生が可能

 

ボーズ本社でSoundTouch 300の開発に携わった、オーディオ・ビデオグループのゼネラルマネージャーであるピート・オグリー氏は本機を開発した経緯を次のように語っています。

 

「自宅でも映画、音楽をより高音質なサウンドで楽しみたいというホームシアターファンの方々の期待が衰えることはありません。ただ、日本だけでなく欧米でも都市生活者の方々を中心に“もっと手軽に設置したい”という声は多くいただいていました。特にベースモジュールをコンパクトに置きたい、あるいは置かなくても迫力ある低音を楽しみたいという強いご期待を受けて、シングルボディのサウンドバーで実現した製品がSoundTouch 300です」(オグリー氏)

↑ボーズのピート・オグリー氏

 

オグリー氏は、ブレイクスルーを実現したのは新開発の楕円型ドライバーユニットであると説明しています。理想的な円形ユニットと変わらない音響パフォーマンスを実現しながら、組み込む本体の薄型化も合わせて実現することができます。また狭いエンクロージャー内部のスペースをQuietPortテクノロジーによって有効に活用できたことが、ベースユニットがなくても十分に厚みのある低音再生を実現できた秘密とのこと。

 

「ベースモジュールを一緒に揃えた環境であれば、夜間の映画・音楽鑑賞には“ナイトモード”が有効です。スマホアプリからナイトモードを選択すると、ベースモジュールをオフにして、サウンドバー単体によるサラウンド再生に切り替えることができます」というオグリー氏。人気のSolo 5からのステップアップや、初めてのホームシアターシステムにもふさわしい製品になりそうです。

↑ワイヤレス接続ができるベースモジュール(オプション)

 

↑同じくワイヤレス接続に対応するリアスピーカーもオプションとして用意される