1

ドローンの技術革新が進んだことで今や手のひらサイズのドローンが市販されるに至っていますが、エネルギー(バッテリー)の持ちや飛行能力の面では、生き物である昆虫に比べてまだまだ見劣りする部分があると言われています。そんな中、「昆虫を自由に操る」という逆の発想を実現する装置を開発するという研究が進められています。

Draper - Engineering Possibilities

http://www.draper.com/news/equipping-insects-special-service

DragonflEye Project Wants to Turn Insects Into Cyborg Drones - IEEE Spectrum

http://spectrum.ieee.org/automaton/robotics/industrial-robots/draper-dragonfleye-project

この研究を進めている研究開発機関「Draper」では、遺伝子操作を行うことで「光に反応する神経細胞」を脳の中に作りだして制御できるようにする「光遺伝学 (optogenetics)」の技術を用いることで、トンボの飛行を自在に操ることができる装置「DragonflEye」の開発を進めています。

DragonflEyeはトンボの背中に搭載することができるほど小さな電子機器。以下の模型が示すように、複数の素子を折りたたむようにしてトンボに装着するようになっています。



この装置は、トンボの脳に光で信号を与えることで、脳の神経細胞の反応をコントロールする技術が用いられています。遺伝子操作により、目の網膜のように光に反応する神経細胞を脳の内部に発現させ、その部分に装置からの光を加えることで、トンボが飛ぼうとする方向を外部からコントロールするというものとなっています。

通常であれば、狙った位置に光を届けるためには細いガラス繊維でできた「光ファイバー」が用いられることが多いのですが、トンボの脳神経細胞にうまく巻き付けるには強度がありすぎて不向きであることが判明。そこでDraperの研究チームは、柔軟性があり、1mm以下のレベルで曲げることが可能な新しい素材を開発することで、脳神経細胞にピンポイントで光の刺激を与えることが可能な技術を確立させたとのこと。



Draperではこの技術の開発を進めることで、農業や医療の分野への応用を視野に入れているとのこと。世界的に減少が問題視されているミツバチにこの技術を応用することで、作物の受粉を従来よりも効率的に行えるようにするなどの用途が期待されています。

光遺伝学については、以下のサイトでも詳しく解説されています。

光で脳/神経科学に革命を起こす「オプトジェネティクス」 | Chem-Station (ケムステ)

http://www.chem-station.com/blog/2014/12/Optogenetics.html