列車の窓から顔を出す北朝鮮の軍人 (画像:Roman Harak)

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昨年、北朝鮮と中国の間で始まった国際小荷物サービスの利用が低迷している。料金も安く便利なのだが、とんでもない代償を払わされることが判明したからだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

このサービスは、北京と平壌を結ぶ国際列車で荷物を運ぶというもので、日本にもかつて存在した「小荷物切符(チッキ)」「レールゴー・サービス」などと同じだ。料金は重量1キロあたり3元(約50円)と格安である。

ところが、出張で中国を頻繁に訪れる平壌在住の華僑、リュウさんは「このサービスを利用して平壌に住む両親にプレゼントを贈りたいが、使う気になれない」とし、その理由を次のように述べた。

「荷物を受け取る際に、到底納得できないほど多額の関税を払わされる。それだけでなく、国家保衛省(秘密警察)から送り主との関係の説明を迫られるなどして、トラブルが頻発している」

また、平壌在住の親戚を持つ中国朝鮮族も「とても利用できない」とし、その理由を語った。

「国際宅配を使えば、高額の関税をかけられ、保衛省の監視対象になる。親戚にそんな迷惑はかけられない」

荷物を送るだけで保衛省に目をつけられるとあって、中国に住む北朝鮮の貿易関係者、華僑、平壌や新義州に長期滞在している中国人の商人なども、このサービスを使おうとしないという。利用するのは北朝鮮の政府系機関が多く、一般の利用は緊急の場合に限られる。

北朝鮮では、様々な行政システムが恣意的に運用されている。どのような品物にどれぐらいの関税をかけるかは、税関職員のさじ加減次第なのだ。多額の関税がかけられるのを回避するには、自分で運ぶか、信頼できる友人や業者に託すしかないのだ。

逆に言えば、やり方次第では、本来はできないはずの「韓国製品のショッピング」さえできてしまうということでもある。一例を挙げよう。

韓国のネットニュース、プレシアンの取材に応じた、平壌で工場を経営する中国朝鮮族の商人は、客から注文を受けた商品を韓国で購入し、自分の手で平壌まで運んでいる。

品物を購入後、午後6時に仁川を出発するフェリーに乗れば、翌午前8時(中国時間)には丹東に到着する。または、午前9時に仁川空港を離陸する飛行機に乗れば、午後1時には丹東に到着する。

翌日午前10時発の列車に乗れば、午後6時(平壌時間)には平壌に到着し、その日のうちに発注者の手元に届けられるのだ。この商人は言及していないが、税関職員に対するワイロは欠かせないだろう。