中国人観光客の大幅増により、日本と中国を結ぶ航空路線はここ数年で急増した。その背景には格安航空会社(LCC)の相次ぐ参入もあり、日中間の航空市場は10年前とは全く異なる状況になっている。2016年には象徴的な「逆転現象」が起きたようである。(イメージ写真提供:(C)SOMPOB TAPAOPONG/123RF)

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 中国人観光客の大幅増により、日本と中国を結ぶ航空路線はここ数年で急増した。その背景には格安航空会社(LCC)の相次ぐ参入もあり、日中間の航空市場は10年前とは全く異なる状況になっている。2016年には象徴的な「逆転現象」が起きたようである。

 中国メディア・環球網は26日、日本の大手航空会社・日本航空(JAL)の中国総代表が、日中間航空路線における日本人客と中国人客の割合が2016年に逆転した可能性があると語ったことを報じた。

 記事は、JALの江利川宗光中国総代表が「従来日本人客が55%、中国人客が45%だった。16年の正確な数字はまだ出ていないが、現段階のデータではすでにポジションが逆転している」と語ったことを紹介。1974年に同社が日中路線を初めて就航して以来、初めて中国人客数が日本人客数を上回ることになると説明した。そして、「逆転現象」が生じた背景として同氏が「訪日中国人観光客の増加」、「65万人いる在日中国人による往復利用」、「中国を訪れる日本人の減少」の3点を示したことを伝えている。

 そのうえで「実際、今世紀初めまでは日中路線は少なく、LCCもなかったため業界内競争は起きなかった。当時は中国の低廉な労働コストが多くの日本企業を呼び込み、日本のビジネスマンが日中間を頻繁に往復していた」と説明。それが現在では「日本と中国のビジネス構造には大きな変化が生じ」ており、思考の出発点も「中国人客をどう喜ばせるのか」へと変わったとする同氏の話を紹介した。

 そして、同社が中国人が満足する飲食サービスの採用、モバイル決済サービス「支付宝」の導入などを実施するとともに、主な顧客となりつつある中国人の幹部をさらに多く育成するつもりであると伝えた。

 人口の規模を考えれば、日本人客より中国人客が多くなるというのは決して不思議なことではない。しかし、この10年ほどで状況が急変したことからは、やはり中国の経済成長、社会の変化のダイナミックさを感じずにはいられない。今後、中国人客の割合はますます高まっていくことだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)SOMPOB TAPAOPONG/123RF)