フランスのスタートアップ企業であるWistiki SASが開発したスマートアクセサリーが日本でも発売される。取り付けるとアラームを鳴らしたりして知らせてくれるWistikiとはどのようなデバイスなのか。発表会が行われたので、その内容についてご紹介しよう。

創業者のリュサト3兄弟が登場

コーポレート向けソリューション提案行っている株式会社美貴本は2017年1月24日に都内の会場で発表会を開催し、フランスのWistiki SASが手がける捜し物発見スマートアクセサリー「Wistiki」の国内発売を発表した。第1弾となる「Wistiki by Starck “ヴォワラ!”」(以下、ヴォワラ)は2月1日から。第2弾となる「Wistiki by Starck “アッハ!“」(以下、アッハ)は1月24日より予約を開始し、発売は3月24日。価格は5,980円(税抜)を予定している。

左:Wistiki by Starck 「ヴォワラ!」/右:Wistiki by Starck 「アッハ!」


発表会には、Wistiki SASの創業者であるブリュノ・リュサト、テオ・リュサト、ユーゴ・リュサトの3氏が登壇し、本製品について紹介した。

ブリュノ氏らは名字が同じであることからも分かるように3兄弟。2013年に創業。2014年にはWistikiシリーズをクラウドファンディングにより立ち上げたが、目標額の400%を達成するなど大きな反響を得た。

「The End of Lost(もう大切なものをなくさない)」をキーに販売を展開

初モデルについては2014年10月〜12月の売上が5万台になるなど、IoT製品カテゴリーで1位を獲得した。それ以降、2015年1月〜12月のワイヤレスタグ売上個数シェアも93.7%を誇るなど、圧倒的に受け入れられている製品となった。

ブリュノ・リュサト氏は、どのようにしてWistikiが生まれたのかについて紹介。「私たちの家にいるネコがいなくなってしまったとき、どのようにして探したらいいのかを考えて生まれたのがこの製品」なのだという。「2013年にこのアイディアを思い浮かべたとき、私たちにはノウハウや市場に関するデータはもちろん、資金すらなかった。そこで考えたのがクラウドファンディングだった」(ブリュノ氏)。

ブリュノ・リュサト氏


ブリュノ氏がクラウドファンディングを立ち上げたときには、ペットの需要しか考えていなかったそうだが、それ以外に忘れ物の需要が高く、驚いたとも語る。そして発売された製品はヒットした。

その成功ののちWistikiを大きくできないかと考え、世界的に活躍しているフランスの有名デザイナー、フィリップ・スタルク氏に会いに行ったのだそうだ。

デザイナーのフィリップ・スタルク氏。日本では浅草にある「アサヒビール スーパードライホール」のデザインなどで知られている


スタルクによるデザインは、こだわり抜いた機能美

ここで登壇者はテオ氏にスイッチ。「世界に目を向け、デザインを繊細にすることを考えて、スタルク氏にお願いすることにした」とテオ氏。そして、スタルク氏とのミーティングを通じて、用途や目的に応じた3種類の製品を発表することになった。

その第1弾として登場したのがヴォワラ。スティックタイプの製品になっており、鍵やカバンに付けるのに最適な製品となっている。第2弾はアッハ。メダルタイプとなっており、ペットなどに取り付けやすくなっている。そして第3弾は「Wistiki by Starck “ホップラ!”」だが、こちらは発売日が未定。カード型になっており、財布などに入れるのに適している仕様だ。

テオ氏が左手に持っているのがヴォワラ


こちらはアッハ


展開される3製品


本製品はデザイン同様、素材についてもこだわり抜いており、フランスのハイブランドが使うような材料を用いているとのこと。また製品の先端にある透明なところや、本体についても表面の仕上げにこだわって作成されているそうだ。

「Wistikiは捜し物をするツールだけではなく、その美しさ、美的デザインに繊細さを極め、いろいろな色を選べるように、オレンジ、レモン、ローズ、バイオレットの4色を用意した」(テオ氏)。

そして、本製品は100%フランスで作られているのも特徴の1つ。電子回路部分は南部のバイオンで、先端とボディはフランスの北部で生産し、仕上げられている。最後にパリ近郊にあるWistikiの倉庫で、品質の確認と在庫管理がされている。

100%フランス製となっているWistikiシリーズ


忘れ物防止機能や近づきアラートも用意

最後にユーゴ氏が登場し、本製品の機能についてデモが行われた。

ユーゴ氏の手にあるのはヴォワラ。自分のスマートフォンと接続されている。しかしスマートフォンが見つからない。そこでヴォワラをもって近づいてみると……。音が鳴り、どこにあるのか分かり、見つけることができた。Wistikiから携帯電話を鳴らすことができるのだ。

ヴォワラを掲げるユーゴ氏


なくしたスマホを見つけることができた


次は捜し物を呼び出す機能に。Wistikiでは、スマートフォンから鍵を呼び出すことができる。椅子の影に隠れている鍵も、音が鳴るのでどこにあるのか分かる。「距離センサーのおかげで、近づいたり遠ざかったりするとブザーが鳴り、どこにいるのか教えてくれる」(ユーゴ氏)。

今度はスマートフォンからWistikiを探してみる


ブザーが鳴って無事発見


このほか、WistikiはGPS表示により、最後になくした場所を表示することもできるそうだ。また忘れ物防止機能もあり、20メートル以上離れるとアラートが鳴る仕組みになっている。近づきアラートを使うと、Wistikiが近づいたときに鳴って教えてくれる。「空港などで、自分の荷物がターンテーブルに来たときにならすと便利」(ユーゴ氏)。

またWistikiは、複数のユーザーで共有することも可能。自動車の鍵など、家族で使っている場合、1つのWistikiを複数の人が見つけることもできる。なお、防水機能もあるので、水の中に落ちてもアラームを鳴らすことができるようになっている。

「日本のマーケットは私たちにとっても重要なマーケット」と語るユーゴ氏。それを確かめるためにクラウドファンディングで予約を募ったところ、約4000万円の支援を受けることができた。

「世界を見据えるにあたり、日本は我々にとって重要なポジションにある。美の心をもつと言われている日本人には、私たちが目指す繊細な美、完璧な美、デザインの美を理解してもらえると思う。品質やデザインが皆さんの期待に添うように願っている」(ユーゴ氏)。

アーリーアダプターを見すえて日本市場へ展開

美貴本からは日本市場へのアプローチについて紹介された。同社は潜在需要を200万人と想定。その中でも13.5%程度のアーリーアダプターをメインターゲットに据えて訴求していくという。

このためのコミュニケーションとしては、まずインパクトを与えたいとのこと。キーとなる言葉は「探しモノ発見 スマートアクセサリー」。単純なIoT製品ではなく、アクセサリーとして扱っていくとのこと。ネコを使ってキービジュアルも作成される。このほかInstagramを使って、ネコを撮影して「隠れネコ」「ウィスティキ」のハッシュタグを入れるとフランス旅行が当たるキャンペーンも実施されるとのことだ。

キーワードは「探しモノ発見 スマートアクセサリー」


ネコをイメージとして広告を展開する


Wistiki
https://www.wistiki.jp/

筆者:Koichi Imafuji