東大(左)と京大(右)、どちらが入試国語で、世相を反映する問題が多く出ているだろうか?

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 入試の季節が巡ってくるたびに高校時代を思い出す。もう少し努力していれば違う未来があり得たかもしれないあの時代。

 もしタイムマシンであの頃に戻れたら、今より30キロ以上もスリムな自分に、成毛眞の『AI時代の人生戦略』でも渡して、「未来の合言葉はSTEAMだぜっ!」と全力でアドバイスを送ってやるのに……。女の子のことばかり考えているうちに(「つきあっているうちに」ではないところがいかにも10代男子)瞬く間に貴重な青春時代は過ぎ去り、気がつけばこんな大人になってしまった。ハァ……。

国語の入試問題は
わけがわからない問題ばかり

 なぜ勉強に身が入らなかったかといえば答えは簡単、つまらなかったからだ。特に苦手だったのが国語である。読書量と国語の成績は決して比例しない。清水義範の『国語入試問題必勝法』というパスティーシュ小説があるが、国語が苦手だった理由は、その冒頭に出てくるこんな問題文を見ればわかってもらえるはずだ。

●次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

 積極的な停滞というものがあるなら、消極的な破壊というものもあるだろうと人は言うかもしれない。なるほどそれはアイロニーである。濃密な気配にかかわる信念の自浄というものが、時として透明な悪意を持つことがあるということは万人の知るところであろう。

 どうだろうか。頭がくらくらしませんか? こんな文章を読まされたうえに問いに答えろと言われても土台無理な話だ。何が書いてあるのかさっぱり理解できないからである。

 ちなみにこの小説の中で清水は、「長短除外の法則」(いくつかの選択肢のうち文章の一番長いものと短いものは自動的に捨てよ)や「正論除外の法則」(いかにも立派なことが書いてあるほうを捨てよ)といった極意を挙げている。もちろん虚構なのだが、高校時代はマジでこれらの法則に頼っていた。

 このように小説でからかいたくなるのも無理はないくらいに、国語の入試問題というのはわけがわからない問題が揃っている。

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