Doctors Me(ドクターズミー)- 大人の“知恵熱”はストレスが原因? 発熱の仕組みと対処方法を紹介

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仕事や勉強で頭を使ったりすると、体温が上がって発熱してしまい、知恵熱が出た、なんて経験をしたことはありませんか?

良く耳にはする知恵熱ですが、実際に体にはどのようなことが起きているのでしょうか?

今回は知恵熱の概要や原因、治療方法から予防対策まで、医師の松本先生に解説していただきました。

知恵熱とは


「知恵熱」は病名ではなく、もともとは「原因がはっきりわからない乳幼児の熱」の総称です。

近年は大人でも脳を使い過ぎた後の発熱を「知恵熱」と揶揄して呼ぶようになっていますが、病名としては「ストレス性高体温症」で、呼び名は同じですが、全く違うものです。

知恵熱の原因


仕事が急に忙しくなったり、極度に緊張したり、誰かと喧嘩するなどで、急激にストレスがかかるときや、慢性的に残業、介護、子育てなどで疲労しているときなどに体温が高くなります。

体温は自律神経やホルモンなどが調節しており、過度の精神的、肉体的ストレスは交感神経が活発になり、体温を上げ、自律神経とホルモンのバランスを崩します。

医療機関で検査してもなかなか異常が指摘されず、原因がはっきりしないことが多く、「異常がない」とか「不明熱」とされることもあります。

また、高体温の仕組みが風邪などの感染症やリウマチなどの炎症による発熱と違うので、一般の解熱剤が効きません。

知恵熱の症状


急性


極度の緊張などで38〜39℃の高体温になり、比較的短期間で元に戻るのが特徴です。

「緊張してカーッと熱くなる」という状態が長く続くような感じで、原因となったストレスが解消されると改善することが多く、学校や会社の中だけで熱が出る、というような場合もあります。

慢性


介護や育児などの長期間の疲労が続き、37〜38℃程度の高体温が長期に続くような状態です。

原因を取り除いてもすぐに改善しない場合が多く、緊張型頭痛、うつ病や不安障害、副腎疲労などを合併している可能性もあります。

急性と慢性


いつも微熱があり、ストレスが強くなるとさらに高体温になる、という感じです。

いずれも炎症による発熱とは違うので、一般的な解熱薬が効きません。

知恵熱が出やすくなる場面


■ 介護、慢性的なストレスが続いている

■ 大切な企画をまかされた

■ 大舞台が控えている

■ 授業や仕事がある

■ 人間関係のストレスが急に発生したか、続いている

■ 運動会など、普段より体を使った

治療すべき知恵熱の目安、治療内容


目安


・3日経っても下がらない高熱(38℃以上)
・1週間以上続く微熱(38℃以下)

治療内容


・食事、生活指導
・薬物療法
・自律訓練法などのリラクセーション
・心理療法など

上記治療に他の疾患の治療を組み合わせます。

知恵熱を発した場合の対処方法


ストレスとなっていることから離れることが、何よりの解決法です。

高体温になっている時はいつもよりエネルギーを使い、何でもないことが、体にとっては大きな負担になり得ますので、日常生活をゆっくりする、睡眠時間を確保することがもっとも大切です。

ただし自己判断で、正しい診断が出来ているとは限りませんし、どんな病気も重症化すればするほど治療に時間がかかりますので、受診時期を誤らないようにして下さい。

知恵熱の予防対策


ストレスは分散する


自分がやらなければ、という使命感はとても大切ですが、自分に出来ること出来ないことを明確に見極め、無理だと思ったらさっと止めるか、助けを求めましょう。

誰かに話すだけでも気分転換になることがありますから1人で問題を抱え込まず、周囲を見回してみると意外と同じ悩みの人がいるかもしれませんので、悩みを分かち合うだけでも改善するかもしれません。

質の良い食べ物を食べる


体だけでなく心(脳)は食べ物で左右されます。

質の良い食べ物で、より大きなストレスに対応できるような脳と体を作り上げましょう。

ビタミンをしっかり摂る


ストレスでは副腎が疲労し、副腎ではビタミンCが大量に消費されます、日頃からビタミンCを含む食品をしっかりと摂りましょう。

また同時に、ビタミンB群も大量に必要になりますので、ビタミンB群の多い、質の良い豚肉、うなぎ、レバー、卵などをきちんと摂るとよいでしょう。

早寝早起き


どんな状態にでも対応できるようになるためには、体が健全であることが基本です。

仕事が忙しくても早く就寝し、早起きすることで体のリズムを健全に保ちましょう。

最後に松本先生から一言


最近、ストレスによって病気が起きる人が増えていますが、「大人の知恵熱」とは、時代を表す言葉ですね。

規則正しい生活習慣で、ストレスに対応できる肉体と心(脳)を手にしましょう。

また、悲鳴を上げて誰かに助けを求めることを出来る環境も、日頃から整えましょうね!

(監修:医師 松本明子)