「エゴン・シーレ 死と乙女」の一場面 (C)Novotny & Novotny Filmproduktion GmbH

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 クリムトと並び世紀末ウィーン美術史に輝く画家エゴン・シーレを描く映画「エゴン・シーレ 死と乙女」が1月28日に公開される。スキャンダラスな逸話と挑発的な名画の数々を残した異端の天才として知られるが、昨年死去した、世界的ロックスターのデビッド・ボウイもシーレから影響を受けた一人だった。

 美術ジャーナリストの新川貴詩氏によると、ボウイがシーレから影響を受けているのは明らかだそうで、「ボウイは音楽を始める前に、絵を学んでいました。イギリスのロックはアートスクールから生まれるんです。キース・リチャードもジョン・レノンも美術学校出身で、ボウイもその一人。アートを背景にミュージシャンとしてのキャリアを始める人が多いんです。ボウイ自身、自分の絵はドイツ表現主義のスタイルととても似ていると自覚もしています。したがって、シーレから本当に強い影響を受けたに違いありません」と解説する。

 また、ボウイは「戦場のメリークリスマス」公開時の雑誌インタビューで、1910年代の表現主義絵画が好きだと明かし、お気に入りの画家としてシュミット・ロトロフやグスタフ・クリムト、そしてシーレの名を挙げ「彼らの絵はとても正直で、力強さがあり、すべての物を黒い線で囲む」と絶賛。そして、シーレの絵について、「シーレの線の中には、たくさんの怒りが込められている。痛みや苦しみがね」とコメントした。新川氏は「エゴン・シーレ 死と乙女」を見れば、ボウイが心酔した画家についての理解が深まるだろうと推奨している。

 わずか28歳で早逝したオーストリアの天才画家エゴン・シーレ。16歳でヌードモデルを務め、兄を献身的に支え続けた妹ゲルティ、そしてクリムトのモデルを経て、シーレとは公私にわたるパートナーとなったヴァリ。女性たちとの濃密な愛の日々を通じて芸術を追求し続けるシーレの姿をあぶり出し、ウィーン表現主義の最高傑作と言われる「死と乙女」に秘められた伝説を描き出す。

 「エゴン・シーレ 死と乙女」は1月28日Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開。