カリスマたちの言葉に手がかり(写真:アフロ)

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 これまで日本は幾度も時代の荒波に揉まれ、歴史を刻んできた。そして、窮地を好機とし、逆境に打ち克つことで巨万の財を築いた傑物が数多くいる。苦難を打破し、幸せをつかむための手がかりは、成功をおさめ大富豪となった彼らの言葉に隠されている──。

●孫 正義(ソフトバンクグループ社長)

「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」

 米経済誌の日本版『フォーブスジャパン』の2016年12月の発表で、ついに日本一の富豪となったソフトバンクの創業者、孫正義(1957〜)。トランプとの会談では、今後4年で米国に5兆7000億円投資する計画を提案した。

 孫はユーザーの意見を積極的に採り入れてサービス向上を目指すことでも知られ、ツイッターでも気さくに一般人とやり取りをする。ここに挙げた名言(?)はユーザーからの「髪の毛の後退度がハゲしい」というコメントに対する返答であり、ユーモラスかつ自身の経営姿勢を表す秀逸な返しとして絶賛された。【言葉の出典/孫のツイート。以下同。本文中敬称略】

●稲盛和夫(京セラ名誉会長)

「人生の旅路には近道も、また楽々と飛んでゆける魔法の絨毯などもないのです」

 京セラや第二電電(現KDDI)を創業し、経営破綻した日本航空(JAL)をわずか3年で再建した稲盛和夫(1932〜)は、決して天才肌の経営者というわけではなかった。

 原点であるセラミック事業は強い意志をもって地道に技術力を高めた結果、信頼を勝ち得たもの。努力を伴わないビジョンは単なる夢であり、個々の人生においても、企業経営においても、「一歩ずつたゆみなく歩む」ことが目標の実現に至る唯一の確実な方法だとした。【『成功への情熱』(PHP研究所刊)稲盛和夫著】

●柳井 正(ファーストリテイリング会長兼社長)

「変革しろ、さもなくば死だ」

 ユニクロを世界4位のアパレル製造小売業へと急成長させた柳井正(1949〜)は、常に「去年と今年を変えない限り会社は潰れる」と言い続けてきた。変化の激しい社会にあって、市場のニーズも刻一刻と変わる。それに対応できない限り、企業は生き残れないのである。

 柳井は2016年10月の決算説明会でも、ファーストリテイリングが「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」会社となるべく、「仕事のやり方をすべて変える」と宣言した。【『現実を視よ』(PHP研究所刊)柳井正著】

※SAPIO2017年2月号