JTB会長「スケジュールに鍵をかけて“自分の時間”を確保」

写真拡大

■年収と比例して「手書き」使用増

どれほどの人が「手書き」の手帳を使っているのか。調べてみると、年収によって大きな開きが出た。年収が高いほうが明らかに「手書き」の手帳を使っているのだ。

「スケジュール管理はデジタルで事足りるが、アイデアノートとして使うには手書きのほうがしっくりくる。また、書くことで頭の整理ができる」(マンションリサーチ取締役・山田力氏)

「手書きの手帳は毎月、毎年の目標管理のために使っている。“書きつける”感覚が少ないデジタルでは、目標にかける自分の思いも弱くなる気がする」(大手不動産会社役員)など、年収2000万円以上もしくは役員級以上(以下、年収2000万円)の人々は、「手書き」の手帳にスケジュール管理+αの機能を求めているようだ。

では、逆に年収200万円の人たちはなぜ「手書き」の手帳を避けるのだろうか。

「手帳とデジタル、どちらかだけに予定を書き入れてしまい、混乱するから」(警備保障会社勤務)

「単純に書くのが面倒くさい」(飲食店勤務)

「基本的には頭で記憶。といっても、ちゃんと記憶できていないので『今どこ?』とメールが来てから準備することもしばしば」(大学講師)と、スケジュール管理のいい加減さが見て取れる。

JTB会長の田川博己氏は、自分の時間をつくるための工夫についてこう語る(2009年11月2日号)。

「考える時間をつくるためにいつもやっているのは、先に自分でスケジュールに“カギ”をかけてしまうことです。

役員になってからは秘書がスケジュールを管理してくれていますが、私は秘書から渡された日程表を自分の手帳に書き写します。書き写さないとなかなか予定が頭に入ってこないからです。基本的にはこうして手帳を埋めてゆくのですが、集中して考える時間を確保したいときには、スケジュールをブロックする旨をあらかじめ秘書に伝えておきます。たとえば講演の1週間前は必ず準備時間を2時間ほど取って、そこにほかの予定は絶対に入れないようにします。

スケジュールを管理して生み出した時間は、目先の仕事ではなく未来への投資の時間にあてます。たとえば用件の合間にタウンウオッチングをしたり、出張先では余裕をもってスケジュールを組み地元の商店街を見て歩いたりすることで、生の情報に触れることができます。これがもとになって新たな企画のアイデアが生まれたことも」

----------

JTB会長 田川博己
1971年日本交通公社(現JTB)入社。最初の赴任先である別府で地域共生の視点を培う。川崎支店長などを経て、2008年社長。14年より現職。
 

----------

(大高志帆=構成 坂本政十賜=撮影)