By Răzvan Băltărețu

オバマ元大統領は在任期間中にセキュリティを理由にiPhoneの使用を禁止されていることを認める発言をしました。アメリカ大統領ともなれば、スマートフォンひとつをとっても高度なセキュリティが求められることが明らかになっていたわけですが、そのオバマ元大統領の後任として大統領に就任したばかりのドナルド・トランプ氏は、いまだにセキュリティ面が不十分なAndroidスマートフォンを使用していると報じられています。

President Trump is still using his “old, unsecured Android phone” | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2017/01/post-inauguration-president-trump-still-uses-his-old-android-phone/

トランプ氏の大統領就任前日、The New York Timesは「(トランプ氏が)シークレットサービスから承認されたセキュアで暗号化されたデバイスを受け取った」と報じていましたが、その約一週間後、トランプ大統領は大統領就任後に補佐官から抗議を受けているにもかかわらず、「セキュリティ面で安全ではないAndroidスマートフォンの使用を続けている」と報じました。要請を受けているにもかかわらず、トランプ大統領は安全対策の万全でないAndroid端末を使用していることが明らかになったわけですが、実際のところどのような端末を使用しているのかは不明です。

しかし、トランプ大統領は約1年前に自身のTwitterアカウント上でSamsungのGalaxy端末を使っていることを明かしていました。



Samsungが自社製のAndroid端末に搭載しているセキュリティ特徴であるKnoxは、アメリカ国防総省から「慎重さが求められるが機密ではない用途」の際に用いても良いという承認を受けています。これは、軍人・国防省職員・退役軍人が使うレベルのセキュリティ強度であるとのことで、Knox搭載端末であってもアメリカ政府の一部の役職に就く人々は使用を認可されないことを意味します。

実際、Samsung Knoxは過去に脆弱性が指摘されており、導入を検討していたこともあるアメリカ国防総省は「安全が保証されるまでは、端末を使用することはない」と発表していました。

サムスンGalaxy S4のセキュリティにデータ通信記録を許可するなどの脆弱性が指摘される - GIGAZINE



海外ニュースメディアのArs Technicaは、「我々はスマートフォンの仕組みについて熟知しているわけではない」と前置きしつつ、「Android端末のセキュリティはiOSやWindowsと比べて粗末なもの」と述べています。iOSを開発するAppleとWindowsを開発するMicrosoftの場合、セキュリティ面で何か問題が出ても、修正用のパッチ公開時に「端末のバージョンやキャリアによってパッチがあてられない」という問題は起きません。しかし、Googleの場合は多くのサードパーティーがそれぞれの端末向けにAndroidをローカライズしているため、端末までセキュリティアップデートがおりてくるのにどうしても時間がかかってしまいます。

これは大きな問題になっており、Googleがセキュリティパッチなどへの対応が遅れがちなスマートフォンメーカーに対して圧力をかけていることも報じられました。

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なお、大統領選挙の際にトランプ大統領は民主党候補のヒラリー・クリントン氏が個人メールを公務に使用する「メール問題」を起こしたとして批判していました。これを考えると、トランプ大統領がいまだにセキュリティ面に不安を抱える端末を使用しているのは「驚くべきこと」とArs Technicaは指摘しています。

また、BlackBerryの愛用者として広く知られていたオバマ元大統領は、以前にセキュリティを理由にiPhoneの使用を禁止されていることを明かしており、同氏がスマートフォンを使用できるようになったのはなんと2016年になってからだったそうです。なお、オバマ元大統領はようやく使えるようになったスマートフォンについてインタビューの中で言及しており、スマートフォンが厳重にロックされているので写真撮影もできないしテキストメッセージを送信することもできないことを明かしています。また、2015年のインタビューでは、「セキュリティ面の理由から、私は多くの最新の商品やサービスを使用することができません」と語っていました。



By Gage Skidmore

これに加えて、トランプ大統領の側近であるケリーアン・コンウェイ氏、ジャレド・カシュナー氏、ショーン・スパイサー氏、スティーブン・バノン氏の4人がプライベートメールサーバでメールのやり取りをしていることがNewsweekの報道により明らかになっています。トランプ大統領の側近4人が使用していたプライベートなメールサーバは「RNC電子メールサーバ」と呼ばれるもので、これはブッシュ政権が2003年から2005年にかけてホワイトハウスで送受信されたメール2200万件を紛失した際に使用していたサーバと同じものです。