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NTTデータは1月25日、電子帳簿保存法に関するプレスセミナーを開催した。2017年1月より、スマートフォンによる領収書の電子化が許可され、今後、企業では国税関係書類のスキャナ保存が進むと言われているが、実際はどのような状況にあるのだろうか。

セミナーでは、NTTデータビジネスブレインズ ビジネスソリューション事業部パッケージグループ 担当部長の的羽幸洋氏が説明を行った。

電子帳簿保存法は「国税関係帳簿」と「国税関係書類」の電子保存について定める法律だ。国税関係帳簿を電子保存するにあたっては「帳簿申請」、国税関係書類を電子保存するにあたっては「書類申請」と「スキャナ保存申請」が必要となる。国税関係書類のうち、「決算関係書類」は「書類申請」を行い、「取引関係書類」は「書類申請」と「スキャナ保存申請」を行う。「スキャナ保存申請」は、相手方から受領した書類など、紙の書類しかないものについて行う。

この3つの申請のうち、「スキャナ保存申請」については保存要件が厳しいことから利用が進まないため、2015年と2016年に規制緩和が行われ、注目を集めている。具体的には、2015年3月に電子署名が廃止され、2016年3月にスマートフォンとデジタルカメラによる撮影した画像も利用が許可されることとなった。スマートフォンの認可は2016年9月30日以降の申請より適用され、3カ月後の2017年1月1日より運用可能となった。なお、申請は運用開始の3カ月前までに行う必要がある。

スマートフォンの認可に関する要件に関する規制緩和のポイントは「重要書類に関する金額の制限撤廃」「関連帳簿の申請が不要になった」「電子署名が不要になった」「重要書類以外はモノクロでの保存が可能になった」「スマートフォンとデジタルカメラの撮影画像が許可された」にまとめることができる。

的羽氏は「モノクロで保存できると、データの容量が小さくなる。金融で大量に抱えている口座振替依頼書は一般書類であるため、この緩和が適用され、金融業にとっては喜ばしいこと」と語った。

「スキャナ保存」の申請書類は国税庁のWebサイトからダウンロードできるが、これを見ると、規制が緩和されたとはいえ、非常に細かな内容を記入する必要があることがわかる。

例えば、コンピュータ、スキャナ、スマートフォン、デジタルカメラについては、メーカーや機種名を記入しなければならない。的羽氏は、スキャナ保存が浸透するための課題として「タイムスタンプの価格」「費用対効果」「スキャン作業と検索キー情報登録にかかる手間が大きいこと」を挙げた。

「現在、タイムスタンプ1個当たり8円が標準となっており、大量に利用するとなるとコストがかさむ。対応策としては、タイムスタンプを従量制価格にすることが考えられる。また、倉庫代などの保管費用の削減だけを見ていてはコストメリットを出しにくい。税務調査対応、保管にかかる人件費も効果として換算し、仕事のやり方の変革により効果を考えると見合う。スキャン作業と検索キーの登録は、旅費精算システムや経費精算システムと連動するなどすることで、手間を減らすことができる」

ちなみに、的羽氏は、「NTTデータグループでは、金融機関においてスキャナ保存の導入拡大は早いと見ている」と語った。その理由については「金融機関では、口座振替依頼書や本人確認証などの電子化が済んでいるところが多い、いわば法対応のためだけに紙で保存を行っている。また、今後は店舗に金庫を置かない傾向が高まってくると思われ、そのためにもペーパーレスは必須となる」とした。