人生を楽しんでいますか?

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50歳を過ぎてから、自分の人生を楽しんでいる人は全死因(あらゆる死因を含む)リスクが低くなっていた――英ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのパオロ・ザニノット博士らによる観察研究報告だ。

ザニノット博士らは、英国で50歳以上の男性9356人を2002年以降、継続して追跡調査している「English Longitudinal Study of Ageing (ELSA)」を利用し、個人の主観的な感覚である「人生の楽しさ」と、死亡リスクの関係を分析している。

「人生の楽しさ」については、2002年、2004年、2006年の3回にわたり「何かに楽しみながら取り組んでいるか」「誰かと一緒にいるのは楽しいか」「自分の人生が幸福だったと思い返すことがあるか」などのアンケートを実施。

「まったくそう思わない」「まれに思う」といったニュアンスの回答には0点、「そう思う」「よく思う」といった回答には1点とし、合計が0〜2点の被験者は「人生に楽しみがない(少ない)」、3〜4点以上であれば「楽しみがある(多い)」とした。

その上で、被験者たちの健康状態や経済状況、学歴、配偶者の有無などの条件を調整し、2013年までの死亡率との関係を解析。

その結果、3回のアンケートのうち2回「人生に楽しみがある」と感じていた人は、そうでない人に比べ17%、3回すべてで感じていた人は24%、全死因リスクが低下していた。

ザニノット博士は、「リスクが高まるような疾患を持つ人は、そもそも人生を楽しめなくなっているのではないか」と仮定し、重病患者を除外するなどの調整も実施したが、結果は変化していないという。

今回の研究はあくまでも観察結果であり、因果関係を示すものではないが、ザニノット博士は「身体的な健康状態に、個人の主観的な感覚が大きく影響する可能性を示す、新たな知見になり得る」とコメントしている。

発表は、2016年11月3日英国医師会誌「The BMJ」オンライン版に掲載された。

参考論文
Sustained enjoyment of life and mortality at older ages: analysis of the English Longitudinal Study of Ageing.
DOI:10.1136/bmj.i6267. PMID:27965194

医師・専門家が監修「Aging Style」