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 地球温暖化への対策が叫ばれる当今、自然エネルギーの開発は喫緊の課題である。自然エネルギーの活用法の一つに、地熱発電がある。東北大などの研究グループは、従来信じられていたよりも多くの地熱資源が、大陸地殻部に存在しうる可能性を提示した。

 自然エネルギー、再生可能エネルギーによる発電、と一口に言っても何種類かある。具体的にいうと、水力、バイオマス、風力、太陽光、地熱などだ。

 有体にいって、この中で地熱はもっとも重要度が低く、また将来性の面からいっても期待されていなかった。環境エネルギー政策研究所というNPO法人の報告によると、2015年度、日本の発電に占める地熱発電の割合は、0.2%だったそうである。前述した5つの発電法の中でも、もっとも低い数値だ。

 地熱発電がうまくいかない理由はいろいろある。まず、技術的な問題がある。強力な発電力を有する施設を作れるほど、地熱というのは有力なエネルギー源ではないらしい。しかしその割には、掘削などにコストがかかる。

 次に、立地の問題がある。地熱が豊富な土地というのは、だいたいが景勝地か温泉地だ。国立公園に指定されていたり、とうの昔に観光開発されていたりする。国立公園には原則的に発電所を作ってはいけない決まりになっている。温泉地に発電所を作れば景観を破壊し、観光産業に打撃を与える。

 そんなこんなで、地熱発電というものは(特に日本では)あまり期待されてこなかったのである。しかし、今回の研究グループの発見は、一つの新しい技術的革新の可能性を示唆する。それは「超臨界地熱発電」というものだ。

 超臨界地熱発電には超臨界水を使う。超臨界水とは何かというと、地下深くの高圧力下に存在する、温度374度以上、圧力22MPa以上の水のことである。超臨界水は、従来予測されていたよりも豊富に存在するらしい。ここからエネルギーを取り出すことで、過去になかった強力な地熱発電所を作れるかもしれない、という可能性を、今回の研究は示唆したのだ。

 もちろん、技術面の課題など、クリアしなければならない問題はいくらもあるだろう。その上で他の発電技術と比べてコスト面で引き合うのかどうか、も当然考えなければなるまい。だが、可能性を検討し尽くすに越したことはない。それが科学の営為というものなのだから。

 この研究の詳細は、1月24日、英国の科学誌Nature Geoscienceのオンライン版に掲載された。