アメリカにおける「自動車ビッグ3(GM、フォード、FCA)」の首脳を招いて朝食会を開いたというトランプ大統領のニュースを見た方も多いのではないでしょうか。

法人税を引き下げ、アメリカ国内に投資(雇用)をして欲しいという要望を直接依頼しているそうですから、中長期的に見て実現するかは別にして、大統領の公約を守る意思は感じられます。

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一方、ツイッターで「トランプ砲」を浴びたトヨタは、北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で、これまでのアメリカへの実績(投資や雇用)をアピールし、今後5年間でさらに100億ドルを米国に投じる予定と表明しています。

その第一弾と考えていいと思いますが、トヨタのアメリカにおける生産事業体である「Toyota Motor Manufacturing, Indiana, Inc.(以下、TMMI)」において、ミッドサイズSUVであるハイランダーへの旺盛な需要に対応するとともに、インディアナ工場全体を刷新するために約6億米ドルを投資すると発表しました。

原油安により大型車の需要が伸び、プリウスなど小型・中型のエコカーがあまり売れないという状況に対応したもので、ニーズに応える当然の策でしょう。

今回の投資により、インディアナ工場では、2019年の秋から「ハイランダー」の年間生産能力を4万台増強。さらに設備の更新や新規導入、最新の生産技術を採用することにより、工場全体の競争力向上を図るとしています。なお、今回の投資に関わる新規雇用は、400名程度の予定と発表されています。

米国の既存工場への新規投資で、日本向けに日本語のプレスリリースを発表するのは異例とまではいいませんが、わざわざ新規雇用の人数を具体的に書くのは個人的にはあまり記憶にありません。

さらに「TMMIにおける生産能力増強の決定は、これまでも継続的に進めてきた車両生産の現地化推進の一環であり、今後も米国で持続的成長に取り組んでいくトヨタの姿勢を象徴するもの」としていて、こうしたアピールもトランプ大統領を意識したものといえそうです。

TMMIのミリー・マーシャル社長は「ハイランダーは私たちの工場に欠かせない重要なモデルであり、今後、お客様により多くのクルマをお届けできることを大変うれしく思っている。TMMIの従業員一同が、これまで高品質なクルマづくりに取り組んできたからこそ、今回の投資を決定することができた」とこれまでの実績と今後の投資を強調。

実際、2016年には、インディアナ工場の約20年の歴史において最多となる40万台以上の車両を生産しているそうです。

日本の自動車メーカーのトップもトランプ大統領の朝食会に呼ばれるのかは分かりませんが、今後も自動車メーカーやサプライヤーが新大統領の動向に振り回されるのは間違いなさそうです。

(塚田勝弘)

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