21日、韓国・朝鮮日報によると、ソウル市内のあるトンカツ店に掲げられたメッセージが、人々に「一食の幸せ」を与えている。資料写真。

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2017年1月21日、韓国・朝鮮日報によると、ソウル市内のあるトンカツ店に掲げられたメッセージが、人々に「一食の幸せ」を与えている。

ソウル・麻浦(マポ)区の閑静な住宅街にあるトンカツ専門店。この店のガラス戸には「トンカツを食べたくても事情があって食べられない方はお入りください。ごちそうします」と書かれた大きなメッセージが掲示されている。

この店を経営するチャ・パダさん(53)と妻のイ・ミョンヘさん(54)は、19年にわたり生活が苦しい人々に無料でトンカツを提供しており、古紙回収をするお年寄りや障害者、ホームレス、学生など、これまで1000人以上の人が「一食の幸せ」を味わってきた。

無料の「トンカツ分かち合い」のきっかけは、開店翌年の1999年5月5日のこどもの日に、孫娘3人を引き連れたおばあさんが4000ウォン(約390円)のトンカツを一つ注文したことに始まる。自らは食べずに孫娘に食べさせる姿を見ていられなかったチャさん夫婦は、大きなトンカツを作っておばあさん家族に無料でふるまったという。

妻のイさんは当初、お客が押し寄せて営業へ支障をきたすのではないかと反対していたが、実際に始めてみると懸念した状況にはならず、中には飲み物や歯磨き粉、1000ウォン札を食事代の代わりに置いていく人も多かったとのこと。

彼らを「天使」と呼ぶチャさん夫婦は、その理由について「適当な呼び方がなくて悩んでいたが、私たちのトンカツをおいしく食べてくれる姿を見ていると、むしろ私たちが恩恵にあずかっている気がして、そう呼ぶことにした」と話している。しかし最近では「天使」の数が減少、分かち合いの機会が少なくなるや、夫婦は直接「天使」探しに乗り出し、地域の事務所に「生活が苦しい隣人たちに一食ごちそうしたい」とトンカツ支援を提案したという。

2015年12月には、長男のジュファンさん(28)が近所に小さなトンカツ店を開き、ガラス戸には同様に「ごちそうします」のメッセージが掲示されている。ジュファンさんは、「20年以上にわたる両親の仕事の手伝いを通じて、分かち合いの喜びを学んだ。今や自分の手で直接『天使のお客さん』をお世話するようになった」と話している。

これを受け、韓国のネットユーザーからは「この看板って本当だったんだ」「こんなに温かい人たちがいるの?!」と驚くコメントや、「お客さんを『天使』と呼ぶ夫婦も、その姿を親から学んだ息子もすごい」「感動の涙が流れた。これからも頑張って」「どこの店?お金を出してたくさん食べてあげたい」と称賛するコメントが多く寄せられている。(翻訳・編集/松村)