ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)の平匡さんロスを打ち消すかのごとく、同枠でスタートした『カルテット』の高橋一生さんが、独身アラサー&アラフォーOLのハートをキュンキュン言わせています。

高橋一生さんに対して、「超タイプ」「結婚したい」「彼のような人と付き合いたい」という声が本当にあちこちから聞こえてくるようになりました。『逃げ恥』中ですら、原作ファンからは「星野源さんの平匡さんもステキだけど、いつか『逃げ恥』が実写化されるなら平匡さんは高橋一生さんがピッタリだと思っていたのに!」と熱弁する人もいたほど。

役者のキャリアが長く、幅広い役柄を演じてきた高橋さん。ずっと活躍を見守ってきたコアなファンは当然のことながら、ここ最近、立て続けに話題になったドラマや映画に出演されているため、「テレビで見るたびに気になっていた」「最近いいなと思いだしてきた」という女性が続出するのはわかります。でも、です。

俳優さんを好きになる時って、その人が演じているキャラクターに魅力を感じる場合じゃないかと思うんです。それを考えると、どうなんでしょう。これまで高橋さんが演じてきた役柄は、ひとクセもふたクセもあるキャラクターが多いという特徴があります。

たとえば笑顔の爽やかなDV夫だったりサイコキラーだったり。さかのぼれば『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)のときには引きこもりの秀才オタクだったし、『僕のヤバい妻』(関西テレビ)では、大金で雇われて中年女性の偽装夫を演じるホストでした。彼らは、独身アラサー&アラフォーが恋人、もしくは結婚相手に選びたいタイプではないように思われます。

でもみんな、「そんな役が似合う高橋一生が好き」って言うのです。「そこが好き」って。「憂いのある顔立ちに心の闇を感じる。そこにキュンとくる」とか、「こじらせている人っぽい雰囲気に親近感をもてる。私のこともわかってくれそう」とか。

こじらせ女子に人気が高い! 

どうやら、高橋さんの理屈っぽい感じや、こじらせている感じ(あくまで役柄の)が、人生がしんどい独身アラサー&アラフォーに居心地のよさを感じさせるようです。「正義感が強くてまっすぐで頼りがいがあって、といういわゆる“ちゃんとしている人”は一緒にいて疲れそうだし、明朗快活で、能天気にウェーイとやれる“人生の王道を歩いてきた人”とは住む世界が違う感じがしてしまうし」と、自分の人生に重ね合わせて、彼なら無理をしなくても付き合えそうって思えるらしい。

それに、多少こじらせているくらいの男性のほうが、リアリティーもあります。実在しそうだからこそ、「嫌いじゃない」「なんとなくいい感じ」というふわっとした気持ちから、「すごく好き」に辿りつきやすいのかもしれません。

実際にお仕事で高橋一生さんとご一緒した方に聞くと、ご本人は「気さくで気配り上手で朗らか。本当にいい人」と言います。でも、それを伝えても彼女たちは「きっと無理しているんですよ。あ〜わかるわぁ……」と、断固として“元気溌剌な一生さん”を認めません。

それはそれでこじらせている感じもしますが、理屈っぽくて面倒くさい男性が「好き」の対象になるなんて、ちょっと新しいんではないでしょうか。しかも、理屈っぽいところがある“けど”ほかにいいところがあるから好きというのではなく、理屈っぽい“から”、面倒くさい“から”と、それ自体が好きの理由になるなんて。どうしてですかね。

頭が良さそうだから、っていうのはあると思います。あとはなんでしょう。理屈っぽくて面倒くさい男だなー! と心のどこかで思えたほうが、相手に好かれる努力で疲弊しなくてすみそうっていうのもあるのかな。お互いさまですよね! みたいな。

みんな、ちょっと疲れているのかもしれません。疲れているから、切磋琢磨してお互いに高めあう相手よりも、存在自体が空気みたいで、一緒にいて気疲れしない男性と付き合いたいっていうのはよーくわかります。

いつの時代にも一緒にいてラクチンな相手を求める人は一定量います。それが、時代によって、そして女性側の好みによって、ヒーローみたいな人だったり、天真爛漫な相手だったり、ペットみたいな存在だったりするわけですが、今は、理屈っぽくて面倒くさい人が旬ってこと。やっぱり新しいわ。

ひっそりと好きだった高橋一生さんがどんどん注目を浴び「私の心の恋人が奪われちゃう……」と凹んでいる独身アラサーOL多発中です。

「高橋一生と付き合えるなら日陰の身でもいい」「ずっと好きだったのに、こんなに人気が出ちゃって苦しい」。その2ではあずき総研がリサーチした独身アラサー&アラフォーが高橋一生を好きな理由を紹介します。