乳がん患者は焼肉を控えた方が

写真拡大

乳がんは日本人女性がかかるがんのトップで、最近若い世代に増えている。40〜64歳までの年代では、がんの死亡率の1位だ(2014年データ、国立がん研究セーター調べ)。

闘病中はしっかりと栄養をとることが大切だが、乳がん患者が焼肉やくん製肉をたくさん食べると死亡リスクが高まるという研究が発表された。肉を高温で調理すると発がん性物質が発生するからのようだ。

バーベキューをたくさん食べる人は死亡率23%増

研究をまとめたのは米ノースカロライナ大学のチームだ。米国立がん研究所機関誌「Journal of the National Institute」(電子版)の2017年1月4日号に発表した。論文要旨によると、グリルの焼肉やバーベキュー、くん製肉の摂取量と死亡率の関係を調べるために、1508人の乳がん患者を対象に乳がんと診断されてから平均で約18年間追跡調査した。患者には診断の時点で、それまでの人生でどれだけの量の焼肉やバーベキュー、くん製肉を食べたかを10年ごとにアンケートで答えてもらった。また、乳がんと診断された5年後にも、再度その5年分の摂取量を聞いた。

調査期間中に597人が死亡した。そのうち237人(39.7%)は乳がんが直接の死因だった。乳がんと診断される前に焼肉やバーベキュー、くん製肉を食べた量を多いグループと少ないグループに2分して分析すると、次のことがわかった。

(1)乳がんと診断される前に焼肉やバーベキュー、くん製肉を多く食べていた人は少ない人に比べ、総死亡リスクは23%高かった。
(2)同様に、乳がんと診断された後に焼肉などを多く食べていた人は少ない人に比べ、総死亡リスクは17%高く、特に乳がんが原因で死亡するリスクは23%高まった。

焼肉などをたくさん食べることは、乳がんにかかった後の死亡率を高めているのだ。研究チームはその理由について、肉や魚を高温で調理すると発生する「多環芳香族(たかんほうこうぞく)炭化水素」(PAHs)の可能性を示唆している。

肉を食べる時は「ゆでる」「蒸す」の調理を

食品安全員会のウェブサイトの「食品に含まれる多環芳香族炭化水素」によると、多環芳香族炭化水素にはベンゾピレン、シクロペンタピレンなど約30種類あるが、そのうち13種類が国際がん研究機関(IARC)によって「発がん性物質」(グループ1〜2)に指定されている。多環芳香族炭化水素は、食品を焼くなどの調理の過程で生まれ、特に肉や魚介類を網焼きやバーベキューなど直火で調理すると多く発生する。また、火山や山火事、石炭や木材を焼いた時の煙にも大量に含まれる。くん製肉がよくないのは長時間煙でいぶすからだ。

乳がんの患者が肉を食べる時は、「ゆでる」「蒸す」などの方法で調理をするとよいかもしれない。